僕の侍女はどこにいるの? 22
暫く歩くとしゃがみ込んでいる人影があった。
先が何個にも分かれた槍を持った男性は、精悍なデーモン族の戦士みたいだった。
「リディア様、心配したぜ・・・んっ?、それにマリューカとシャノンもいるな」
陽気そうな青年は笑いながらこっちをみる。どうやらリディアの使い魔のディバーズのようだ。
「ディバーズ、良かった・・・それからルチア知らない?」
「いや、見てない・・・それよか、向こうに禍々しい気が立ち込めてるぜ」
なんだか嬉しそうに言うディバーズ・・・戦いたくて仕方ない顔をしていた。
確かに何か強力な魔物がいる気配がしている。
「どうするの、リス?」
「行ってみよう・・・なにかありそうな気がする」
そして、僕達はその方向へと行ってみたのだ。
・・・そこに行ってみて、僕達はその光景に言葉を失った。
そこにいたのは強力なジャイアントローパー・・・無数の触手を持つ強力な魔物だ。
魔法も聞き難く、打撃も有効じゃない、本当に厄介な魔物だ。
その怪物に2人の女性が絡め取られていた。
服を破られ、穴と言う穴を触手に犯されているのはルチアだった。
同じく犯されている小さな少女は使い魔のフェアリーだろう。
「ひっ!、ひどいっ!」
「まてよ・・・いきなり飛びついても二の舞になるぜ!」
飛び掛ろうとするリディアをディバーズが抑える。
「じゃあどうすればいいのよ!!」
………その光景を見て、僕は思わず足が進んだ。「リス様!!」
「リス!!」
「リス君!!」
マリューカさん、エリーシャノンさんが叫んでいるのが分かる。…分かるけど耳に入らない、集中力が全て前の出来事に行っている感じがする。状況把握、対処法……魔法も攻撃もイマイチ………なら、同時に与えれば?「…よし、炎属性・具現化!獄炎大剣(ブレイザー・ブレイド)!!」
燃え盛る剣を振りかぶり、僕は斬りかかった。
ブゥン!
ジュビャ!
一振りで触手を2本、焼き切る形で切りおとした!
でも3本目で。
ブニュ!
斜めに受け止められて、表面を焦がしただけに終わった。
僕はすぐに態勢を戻し、もう一度斬りつける。
ブシャ!
今度は多くの触手にかわされたが、1本を切りおとした。
でもルチアたちをつかんでいる触手を護るように多くの触手が立ちふさがってくる。
「・・・・・・」
「・・・・!!」
後ろで何か声がする。
すると。
「タァァ!!」
マリューカさんだ。
剣に炎をまとって斬りかかったんだ。
ビャブ!!!
すごい。4本の触手をまとめて焼き切った。
リディアが叫んだ。
「リスペクト!皆の武器に炎をまとわせるから!」
見てみると、シャノンさんのハルバードに向けてエリーが呪文を唱えているところだった。
「よっしゃ、いくよ!」
シャノンさんの槍斧にも炎が纏われると、ソレを回転させた!
「せいせいせいせいせいせいせやぁぁぁぁ!!!!」
気合とともに触手を切り刻む!豪快だなぁと感心してる場合じゃない。ディバーズさんも続けて突っ込む!
「とにかく、二人の救護を優先だ・・・!」
そういいつつも愉しそうに槍を旋す。しかし、
「ちぃっ!キリがない!!」
触手が・・・見ると、斬った所から分裂・再生していた!?
「再生する前に止めを刺さないと・・・!!」