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僕の侍女はどこにいるの?
官能リレー小説 - ファンタジー系

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僕の侍女はどこにいるの? 108

エリー1人のときでもあんなに激しく求めてきたんだ、念を入れるに越したことはない。

「い、いやいいよ。魔界から帰ってきたって言っても、帰りは楽なものだったし」
「さ、左様でございますか?」
「残念でございますが・・・仕方ありませんわね」
「り・・・リディア?ルチア?何でそんなに残念そうにしているの?」

2人の落ち込みようがあんまりすごかったものだから、ぼくはあわててフォローを入れようとする。
すると2人はこの世の悲しみを背負ったかのような表情でポツリポツリと語ってくれた。

「だって・・・私たちにできることと言えば、この身体でリス様をお慰めすることしかないんですもの」
「子供も産んで、またリス様にご奉仕できると思いましたのに・・・」

そう言って今にも自殺しそうな表情にぼくはあわてた。
な、何?エリーとは全然違うこの反応は?
エリーのときは迷子がようやく母親と出会えたような、そんな感じだった。
だけど2人はエリーのそれとはまったく違う。
まるで神様に仕える敬虔な信者のような・・・?

(・・・あっ!?そ、そうかっ!2人は・・・!)

そこまで考えてぼくは思い出した。
リディアとルチアはかつてぼくに『服従の誓い』をしたことを。
服従の誓いは人間同士で行う使い魔契約みたいなもので、これを行うと服従を誓った人間は対象に対して絶対服従を強いられる。
本来は騎士や司祭などが主君や神様に対して行われるものなんだけど・・・。
彼女らの場合、ぼくへの愛の証として誓いを立てている。
もっともぼくは彼女らを奴隷のように扱う気はなかったから、その権限を行使することなくすっかり忘れてしまっていたのだが。
どうやら2人は服従の誓いとぼくへの想いが、呪いの残滓と1つになってしまったようだ。
エリーの場合は『リス依存症』とするなら、リディアとルチアは『リス信仰』。
2人のさっきからの発言や態度は、ぼくの役に立ちたいという思いから出たものなのだ。
ぼくはそんな関係なんて望んでないのに!

「リス様のお役に立てない私たちなんて何の価値もありませんわ・・・」
「ご迷惑をおかけするくらいなら、いっそこの場で命を絶ったほうが・・・」

そんな中、ネガティブモードに入ったリディアとルチアはどんどん心を沈ませていった。
ちょっとルチア!せっかく再会できたのに何自殺を考えてるのっ!?
危険なものを感じたぼくとエリーはあわてて2人にフォローを入れた。

「ちょ、ちょっと2人ともしっかりしてっ!?」
「ほ、ほらほら2人とも笑って笑って!ぼく、2人の元気な笑顔が見たいなー!」

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