僕の侍女はどこにいるの? 104
「シャーテさん!おはようございます!
あの、すみませんけどちょっとベッドから起きるの、手伝ってもらえませんか?
昨夜からエリーがぼくのこと抱きしめてて、放してくれないんです」
こうしてぼくはシャーテさんの助けを借りて、ようやくエリーの抱擁から抜け出した。
目覚めたエリーは、いつの間にかぼくがいなくなったことで少し機嫌を損ねてしまったけれど。
まぁ、たっぷりとエリーのミルクを吸い上げ、キスしてあげたらすぐに機嫌を直してくれた。
でも・・・。
「はいっ、リス『あ〜ん』♪」
「あ、あ〜ん・・・」
エリーに促され、口を開くとエリーがその中に息を吹きかけて覚ましたスープを入れてくれる。
みんなの目の前で。
ぼくと再会して立ち直ってからというもの、エリーはずっとこんな調子だった。
誰もいないときなら付き合う気も起きるけど、父さんたちのいる前で何度もやるのはさすがに恥ずかしい。
かと言って断ろうものなら、捨てられた子犬のようにションボリと元気をなくしてしまうのだ。
どうやら今まで会えなかった分の時間を取り戻そうとしているみたいなんだけど・・・。
「ねえリス、おいしい?」
「う・・・うん」
「よかった!さあ、どんどん食べて!」
・・・やっぱり恥ずかしいなぁ。
ぼくはエリーたちを置いて旅立ってしまったことを心底後悔しながら、再び差し出されたスプーンを口の中に運ぶのであった。
――――
そして朝食後。ベタベタとぼくになついてくるエリーをあやしながら、ぼくはシャーテさんたちと今後のことを話し合っていた。
内容はもちろん、まだ目覚めていないリディアたちのことだ。
「・・・リスペクト様、本気でございますか?」
「残りの奥方様たちを全員お相手なさるなど・・・。
正気の沙汰とは思えません。ヘタをすると命に関わりますよ?」
「ううん、ぼくはやるよ。
みんなをこれ以上待たせるわけには行かないから」
そう。ぼくはこの日、まだ目覚めていないリディアたちとマリューカさんたち使い魔のみんなを同時に相手にしようとしていた。
当然これには反対の声が上がった。
エリー1人を目覚めさせるだけでもアレだけ乱れたのだ。
全員を相手にするなど、どれほど負担がかかるかわからない。
とは言え、昨日のエリーの痛々しいまでの思いに気づいて閉まった以上、放置しておくわけにはいかない。
一刻も早く助けなければならないと、ぼくは主張した。
「しかしお前の相手は絶倫のオマエの精を浴び続け、その身体を持て余した女たちなんだぞ?