PiPi's World 投稿小説

女戦士ユーナの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 98
 100
の最後へ

女戦士ユーナの冒険 100

女王は大きく膨らんだ腹をいとおしげに撫でながらユーナに言う。
「子供と言うのは宝です。それが例え最愛の人の子でなくとも…ね」
「はい…私も、この子が宝です」
ユーナが決意めいた表情でそう返すと、女王はユーナに微笑む。
「ところで、どうじゃマーニャ?近ごろの情勢は…」
「あ!そうでしたわ、お父様。ラテンが大変ですのよ」
「ラテン共和国がどうした?」
「ラテンの執政官ナパローニがクーデターを起こして皇帝になりましたわ。国号を神聖ラテン帝国とかに改めて…」
「共和制から帝政か…ラテンは実に面白い国じゃのう。いつも予想外の事をやらかしてくれる」
「それが、笑い事ではないのです」
それまで黙っていたエチカが口をはさむ。
「ナパローニは周辺諸国に『ラテンに服属せよ』という内容の国書を送り付けて来たのです。我がダキアにも…」
「な〜に、そんなもの無視しとけば良いんじゃ」
「そうもいきません。ナパローニは軍備の増強に力を入れていて、ラテン軍の総兵力は共和制時代の倍以上になっています」
「それに不吉な噂を耳にしましたの…ナパローニはグランディア大陸全土を支配するために再び魔界の力を借りようとしている…とか」
「単なる噂じゃろう」
グレムは腕組みしながらマーニャに言う。
「ワシは魔族が絡まぬ限り、国同士のゴタゴタには関与せぬ立場じゃ」
それはグレムが人間と関わる上での決め事だった。
「じゃが、お主の不安も理解しておるし、ダキアが魔界に対抗する拠点である事も理解しておる。そのうちカタリナにも会って話すつもりじゃ」
カタリナとは旧ラテン王国王族にして現ブランシュ大公である。
ちなみにブランシュ大公家もラテン王国時代からグレムを父とし夫とする家系である。
「大公家からもラテンの内情は逐一報告が来ております。そうしていただければ大公も安心するでしょう」
国家間の攻防には基本的に関わらないグレムであったが、ダキアにだけは少し甘いようである。魔族が絡んでいれば話は別だが、今のところ大賢者グレムをもってしてもラテンに魔族の兆候は確認できていない。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す