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女戦士ユーナの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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女戦士ユーナの冒険 96

デオドラは猫の様にグレムに甘えながら返事をする。
「全く、甘えん坊め」
誰に対しても偉そうなデオドラが、自分にだけは少女のように甘える姿を見てグレムは苦笑する。
「皆様、馬車にお乗り下さい。マーニャ女王陛下がお待ちです」
デオドラの隣にいた褐色の美女将軍が言った。
女将軍はミネアの姉で、名をエチカと言った。
「最近はどうじゃ?エチカ」
「はい、先月もラテン共和国と国境で小競り合いが起き、平定して参りました」
「またラテンか…」
「ラテンだけではありません。西はフランシア、東はルーシア、北はゲルマニア、それにアルビニア…世界各国がダキアを征服しようと狙っております」
ダキアはかつて世界第一の大国であったが、現在は列強の端にもかからない中小国だ。しかし、国力は衰えても、経済、産業、文化、芸術の豊かなダキアは各国に狙われており“王達のお菓子”と呼ばれていた。
国内で産出される良質な宝石と、グレムが伝え発展させた高度な魔導技術は、列強にとって喉から手が出るほど欲しい物であった。
それゆえダキア王国は魔族以上に人間の国々の動きを警戒していた。
特に警戒しているのがラテン共和国である。
建国は二百年前の群雄時代と比較的新しく、大陸では珍しい共和制国家であった。大陸屈指の経済力と軍事力を持つこの国は、ダキア王国最大の貿易相手にして宿敵と呼ぶべき存在である。
現在のラテン共和国領の大半は、かつてダキア王国領だった。首都ビサンティウム周辺にはダキアの姉妹国であるラテン王国があったが、先々代の勇者の頃の政情不安で革命が起き、王族が追放されて共和国となった。

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