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女戦士ユーナの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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女戦士ユーナの冒険 95

従ってダキアは王族も貴族も女しかいない。
それ故、貴族とは呼ばず『姫族』と呼ぶのがダキアの通例であった。
彼女達の仕事はダキアの国家運営と件の慰安業務なのだ。
その慰安業務の延長線上で外交にも身体を張るのがダキアの流儀で、それが千年王国の礎になっている部分もある。


「エ…エエ!?」
突然、美しい女兵士達の一団が現れ、ユーナ達は取り囲まれた。グレムは動じず、彼女達を労う。
「出迎えご苦労!」
その言葉を合図に女兵士達は道を作り一台の馬車が表れた。馬車に乗っていたのは、デオドラと金髪に褐色の肌の女将軍だった。
「お待ちしておりましたわ、お父様」
「お久しぶりです、グレム様」
「どうしたんじゃ、ユーナ?驚いたのか?」
「う・・・うん。いきなり大勢の兵隊さん達に囲まれてビックリしちゃった」
「この者達は王宮の衛兵じゃ。ワシらの出迎えに、ここまで来てくれたのじゃよ」
話を聞いていたアップルが不思議そうな顔で尋ねた。
「あの、どうしてデオドラさんが王宮の迎えの人達と一緒にいるんですか?」
「私もこの国の姫の一人だからよ」
「「えぇっ!?」」
再び驚くユーナとアップル。
「デオドラはマーニャ女王の双子の妹なんじゃ。どこの国でも王位継承者に双子が産まれれば片方を殺すのが定めじゃ。将来に禍根を残さぬためにな。
じゃがワシは自分の娘を殺すのが忍びなくてのう。そこで先代女王や大臣達と話し合って、王族としての地位と権利を与えず、一生庶民として生きていく事を条件に、デオドラを殺させぬという約束をしたのじゃ」
「デオドラさんはそれで良いんですか?一つ間違えば自分が女王になれてたかも知れないのに・・・」
「私は今の人生に満足してるわ。王族の暮らしなんて窮屈よ。だいたい、本当なら殺されてたんだから、生きてるだけで幸運よ。マーニャ姉様も私を妹として可愛がってくれるし、姉様が即位してからは私も自由に王宮へ出入り出来るようになったしね」
「マーニャは昔から常にデオドラに対して申し訳ないと言っておったからのう。良い父と姉に恵まれて、お主は幸せじゃぞ?デオドラ」
「よ〜く分かってますわ、お父様」

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