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女戦士ユーナの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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女戦士ユーナの冒険 94

多くの国が復興や新興されたが、古代帝国時代から残っているのはダキア他1国のみ・・・グレムや勇者の血筋の王国も5つ程しかない。
故にダキア王国は大陸中から歴史で一目置かれる国家なのであった。

そんな歴史ある国家の割りに、グラスラントは近代的な街に見えた。
と、言うのも宮殿周辺しか旧市街が残っておらず、今や宮殿周辺の方が街の外れになっているからだ。
ユーナ達がその旧市街にさしかかる橋を渡ると、新市街とは全く別の街の姿がそこにはあった。

賑やかで華やかな新市街とは違い、非常に落ち着いた重厚な佇まい。
一歩旧市街に入っただけで、あの新市街の喧騒が嘘のように静寂に包まれる。
改めてここが千年王都と呼ばれる所以を感じさせるような町並みに、ユーナ達は最初言葉も出なかった。
「まるで、街全体が神殿のようでござるな。」
諸国を旅する四郎も、流石に驚いた様子で辺りを見渡す。
「住んでいる者からすれば、辛気臭くて古めかしいだけなのですけどね。」
ミネアは苦笑しながらそう言う。
まあ、若い娘からすれば、あの華やかな新市街の方がいいのであろう。

橋を渡り斜面に造られた古い街並みを登っていくと、宮殿であるクリスタル・アークに向かう事になる。
白い大理石で建てられた宮殿は、まるでおとぎ話の世界に出てくるような古い造りで、今の建物のような飾り着けではない。

そんな威厳めいた建物の最初にあるのが、橋を渡ってすぐのグラスラント市庁舎である。
市庁舎の広場には、グラスラントの治安を守る王都守備隊庁舎と、鉱山局庁舎と職能組合庁舎があり、ここが主にグラスラントの政治の中心部と言える場所である。
それはどこの国でもある佇まいであるが、ダキアの特徴であるのが市庁舎から少し離れた大聖堂横にある慰安宮である。
慰安宮は、ダキア王族や貴族が職人や鉱夫を慰安する為の施設で、言わば公設の娼舘である。

大浴場やサウナも完備した慰安宮は、職人や鉱夫は安価で利用できる。
ただ、それ以外には有料でかなり高い為に、一般庶民は歓楽街で遊ぶのが通例であった。

その慰安宮から丘を登っていくと、各国の公使館や高級住宅街が並び、塀に囲まれた内城部に入る。
内城部には、ダキア王国の政庁と貴族達の屋敷があるエリアとなる。

ダキアの貴族は、またここだけの特殊な構造である。
王族が一人当たり10人以上軽く産むダキアでは、建国千年も経ると貴族もかつて王族だった者ばかり。

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