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女戦士ユーナの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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女戦士ユーナの冒険 93

彼女はグレムを人間の王として君臨させ、人間を自分親子達に永遠に奉仕させる存在として文明を与えてきた。そんな家畜や奴隷扱いであれ、光の女神の庇護は人間達にとって母の胎内のような安心感があったのである。それが突然消えて無くなったのだから人間達の混乱は大変なものだった。
人間達から光の女神を取り上げたグレムだったが、それは人間達を恨んでの行動ではない。彼は人間達を愛していた。母のように家畜や奴隷としてではなく、兄弟として・・・。
ゆえに人間達を母達の争いから守るため、グレムは最愛の母を封印した。だが当の人間達には彼の行動が全く理解できなかった。人間達はグレムを憎み、彼を放逐した。
女神封印後数百年間、グレムは人間の敵として歴史から消されたのであった。
だが、グレムは人間達を恨む事も世界を諦める事も無かった。彼は人間達が自主的に歩んでいくために喜んで悪役となり、その行く末を見守った。
だが、そんな彼の思惑とは裏腹に、事態はそれを許さなかった。
闇の女神と共に封印したはずの魔王とその手下達がグランディア大陸に攻めてきたのである。
光の女神の加護を失った人間に、魔王に対抗する力は無かった。そもそも人間達を統率する者がいない。
そこでグレムが考え出したのが『勇者』と言うシステムなのである。ただ、彼が技術と能力を伝授しやすいように勇者は女でなくてはならなかった。そして、人間達から信頼される人物でなくてはならなかった。
彼はとある部族の巫女に目をつける。没落しかけた部族だが、彼らは能力の高い古代人種の末裔だった。
その巫女を勇者に仕立てたグレムは彼女を何度も孕ませ、その娘達と共に魔物を討伐し魔界を封印した。グレムは再び尊敬される対象となった。
しかしその際、魔界を完全に封印する事は不可能という事が判明・・・グレムは定期的に復活する魔界に備えて人間世界をどうにかせねばならぬと考えた。
そこで国家というシステムを作りあげ、勇者を女帝とし、その子達を各地の王として封じた。
その時代は、古帝国時代と言われ、今でもダキアを初めとして数ヶ国が歴史を伝えている。
女帝制度は初代女帝の死後百年程各国の王族の持ち回りで続いたが、再びの魔界復活により大陸半数の国家が滅亡した事によって有名無実化した。
その後、亡国の王女である二代目勇者により魔界が封印され、新しい国家ができた古王国時代に入る。
そこから何度かの魔界復活と人間同士の戦乱の時代である戦国時代を経て、比較的安定した群雄時代に入ったのが今から二百年前。
それも60年前の魔王出現で大半の国が滅んだ事により終結した。

そして、再び現れた勇者が魔王を倒した50年前から始まるのが、現在の新王国時代である。

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