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女戦士ユーナの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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女戦士ユーナの冒険 91

「それからもう一つ。私、今、奴隷なの。だからご主人様から離れられないのよ」
「ど…どど奴隷!!?」
ゴードンは目を白黒させて素っ頓狂な声を上げた。なぜ母が再び奴隷に!?ていうか主人って誰だ!?ゴードンは見た目一番年長で強そうな四郎を見た。コイツか!そこへ口を開くグレム。
「ま、確かに奴隷じゃが、別にエステアが安住の生活を望むならワシは無理強いはせんぞ。ちっと寂しいがな…」
「えぇっ!?まさか主人って、このボウズ!?」
ハッとして改めてグレムを見るゴードン。
「ま…まさか、あんた本物のグレムなのか!?あの『外道賢者』と名高いグレムなのか!?」
「あなた!」
“外道”という言葉をマリーネはたしなめるが、ゴードンの口は止まらない。
「この鬼畜野郎!!お袋を奴隷にするとはどういうことだ!?女なら他にいっぱいいるだろう!この国の姫は貴様に喜んで股を開くって話じゃないか!?」
『外道』『鬼畜』『寝取り』、それらは世の男性がグレムに対して指し示す言葉である。
勇者やその従者を鍛えるためとはいえ、その行為は世の男性からの嫉妬を集める事となる。
中には自分の妻や恋人を取られたものもいて、より一層その悪名を高める効果となっている。
これがグレムを開祖とする国家に生まれていれば、多少は違っていたかもしれない。

だがゴードンが生まれ育ったラテン共和国は、グレムの血筋を引く王家を追放して成立した国であり、その後の魔王の侵略に対しても、抵抗したり、一時的に手を組んだりして国を保ってきていた。
前回の聖暦940年代の魔王の侵略にたいしても、首都ビザンチゥムを占領されても独力で奪い返すほどだった。
だからグレムやその血を引く勇者に対しての敬意が他の国民に比べると低かった。
もちろん低いといっても程度の問題であり、勇者やグレムを排斥したり、軽んずるということは無かった。
だが、いきなり自分の母親が奴隷になったと聞かされ、それで平静でいられるはずもない。
特に幼い頃から奴隷として働かされたエステアを見て育ったゴードンにとって、それは許せることではなかった。

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