PiPi's World 投稿小説

女戦士ユーナの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 88
 90
の最後へ

女戦士ユーナの冒険 90

「お口に会うかどうか…」
「美味しい!」
「これは…もしかしてセイロニア産の紅茶じゃないですか?」
「グランディアの茶は紅いのでござるな…日の本の茶は緑色でござった」
「あぁ…あれも良いの。ワシも500年くらい前に飲んだが…」
「このお茶、ダキアでも作れませんの?」
「無理です姫様、ダキアの土壌は茶の栽培には向いていません」
「特にグラスランド周辺の土地は鉱毒で…」
皆、思い思いの感想を述べているが、結局は美味いという事なのだ。
エステアはというと、ゴードンとマリーネと共に何やら込み入った話をしている。
「さてゴードン、その娘さんとの関係について聞かせてもらおうかしら?」
しかし、その口調は問い詰めるような言い方ではなく、やんわりとしたものであった。
「紹介するよ。恋人のマリーネだ。彼女の父親も宝石職人で、近所に住んでる」
「さっきの様子を見た限り、いずれ結婚するの?」
二人は顔を赤くしてコクリと頷いた。
「黙ってた事は悪かったよ。でも知らせたかったけど、連絡の取りようが無かったんだ。お袋は旅から旅で、どこの国にいるのかも分からないからな」
「怒ってないわよ。マリーネさん、息子をよろしくお願いしますね」
「はい!ありがとうございます。お母様」
「なぁ、お袋…婚約報告ついでに、一つ提案があるんだ」
「何?急にあらたまって」
「俺達と一緒に暮らさないか?もう若くないんだし、旅から旅の生活なんて止めてさ。マリーネも賛成してくれてる。それに俺としても、もう危険な旅には出て欲しくないんだよ」
「ゴードン…」
母を思う子の気持ち。エステアは思わず胸に込み上げて来るものがあった。しかし…
「ありがとう、ゴードン、マリーネさん。でも旅は私の生き甲斐なの。いえ、人生そのものと言っても良いわ」
「お袋…」
「お母様…」
「分かってちょうだい。それに今は旅を止める訳にはいかないのよ。最近ちょっと大きな目的が出来ちゃってね…」
「大きな目的って?」
「世界の行く末に関わる大事よ」
エステアはそう言って微笑んだ。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す