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女戦士ユーナの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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女戦士ユーナの冒険 81

都市の中心部には巨大な宝石市場や原石市場が立ち並び、その周囲には加工職人街が広がる。
また、ビサンティウムにも劣らぬ歓楽街も市場の近くにあり、賑わいの多い街であった。
田舎育ちのユーナにとっては、グラスランドは大都会であった。

その歓楽街の奥に魔導師や錬金術師、占い師が居を構える『呪い小路』と呼ばれる一角がある。
歓楽街以上に怪しい雰囲気のその場所にグレムはユーナ達を連れて、とある一軒の家に入って行った。
家の中は怪しげな薬物や道具類であふれ、いかにも魔導師の家という感じだった。奥から若い女の声がした。
「何か用かい?用がないならとっとと帰っておくれよ!」
不機嫌そうなその声にグレムはピクリと眉毛を動かして言った。
「ワシが来たと言うのにそれが挨拶かデオドラ?」
グレムのその声にバタバタと言う足音と何かが周囲にぶつかる音・・・相当あせって出てきたのは妙齢の美しき熟女。
グレムの前で慌てて畏まる。
「お…お父様!お越しになるならご連絡を頂けたら…!!」
滑稽な図柄だが、幼い少年のグレムが父で、この母親のような女性が娘らしい…。知らない人ならまず混乱する。
「デオドラ、しばらくこやつらと世話になるぞ」
グレムの表情には有無を言わせぬものがあった。それに元々逆らう事が出来ない間柄らしい。否応なしに首を何度も縦に振る。
「こやつがワシの娘で弟子の一人であるデオドラじゃ」
グレムはそう紹介する。
「ユーナです」
「寺田四郎友康と申す」
「神官のエステアです」
「御者のアップルです」
「お父様の仲間と言う事は、あなた達は勇者候補ね?」
デオドラは直ぐに見抜いた。
「その通り、さすがデオドラじゃ。ところで陰陽の指輪を作りたいのじゃが、良い魔石はないかの?」
「魔石ですね。丁度良いのがありますよ。これなんかどうです?」
デオドラは一つの紫水晶石を取り出してグレムに見せた。
「テストロン石か、お前にしては上出来じゃ!」
「お褒め頂いて光栄ですわお父様」
グレムに誉められ喜ぶデオドラ。
「うむ。では皆、ゴードン殿の所へ行って陰陽の指輪を作ってもらうとしよう」
「あ…あの、お父様!今夜はデオドラめを可愛がって下さい!!」
「「「「…………………」」」」
デオドラは店から出ようとしたグレムに胸元をみせて夜伽を頼む。この親子はそういう仲らしい。

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