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女戦士ユーナの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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女戦士ユーナの冒険 9

(ゴブリンなんてザコ中のザコよね。私でも大丈夫よ!)
はっきり言って物すごく甘い見通しなのだが、冒険というのを本の中でしか知らないユーナは気づかない。
ユーナの中ではゴブリンというのは、冒険者にバッタバッタとなぎ倒される存在でしかなかった。
依頼したエーリヒの方もユーナと似たり寄ったりの認識だったから、自信満々に一人で行くと言う彼女を、歴戦の勇士と勘違いしたのだ。
唯一、エステアだけが心配していたが、万が一ゴブリン達と行き違いになった場合に備えて村に残る事にした。
ユーナは意気揚々と、鼻歌を歌いながら森の中を歩いていく。最初はどうなるかと思ったが、親切な人に助けてもらえたし、早くも冒険者としての仕事を与えられたのだ。
(私には幸運の女神が付いてるに違いないわ。もしかして私って伝説の勇者だったりして〜♪)
たまたまの幸運を神の祝福と勘違いするユーナ。
最初は明るかった森も奥へ行くにしたがって暗がりを増していく…。能天気に歩いていたユーナも、さすがに警戒して慎重に歩みを進めた。
更に進むと、ガサゴソという音が聞こえてきた。茂みの影から覗くと二匹のゴブリンがいた。ゴブリン達は1mくらいの槍を持ち、簡易な鎧を着ていた。
(何でゴブリンが槍なんて持ってるのよ…)
物語の中では錆びた短剣ぐらいしか持ってなかったのに…と考えるが、この場であれこれ考えても始まらない。
後ろに回り込んで奇襲をかけよう…そう考えてソロソロと歩きだすユーナ…。
その時、とつぜん首筋にチクリと鋭い痛みが走っり、ユーナの意識はたちまち薄れた。


「気がついたかね?お嬢さん」
「はぁ…」
気が付くと、転移魔法で移動した時と同じく、ベッドに寝かされていた。だが、前回と違い硬いマットの粗末なものである。起き上がろうとするが、何故か痺れたように動けない。首だけ横へ回すと、黒いローブを着た老人が立っていた。
老人の顔はシワクチャで、肌は浅黒く、まるで干物ようだった。右手には杖らしき物を持っているので魔術師なのかもしれない。
周囲を見回すと、洞窟の中らしく、岩肌が露出しており天井からカンテラがブラ下がっていた。他に目に付いた物は本棚と、薬の入った戸棚だけだ。

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