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女戦士ユーナの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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女戦士ユーナの冒険 76

ただ、黒の母は非常に嫉妬深く、グレムが他の女と近づくだけでヒステリックになる程で、だんだんと姉妹である白の母すら疎ましがるようになっていった。
無論、白の母もグレムが取られたままで許せる筈がない。
こうした感情のもつれから、二人は険悪になっていった訳である。

決定的に事態が破綻したのは、黒の母がグレムの童貞を奪った事に始まる。
その行為は、温厚な白の母に火を点けた。
黒の母より魔力に優れる白の母は、グレムを奪い返し、今度は自分がグレムを抱いて離さなかった。

それを取り返す為に魔力で劣る黒の母は、得意とする生物生成能力を駆使して魔界を作り上げ、魔物を率いて白の母に戦いを挑んだのだ。
それが神話にある女神の戦いの真相だった。

対抗する白の母は人間やエルフを率いて戦い、二人の能力の凄まじさから、それは世界を破壊しかねない戦いへと発展していった。
グレムも最初は母達を説得するのに奔走するが、説得すればする程話は拗れ、百年の戦いで世界は崩壊寸前となってしまった。
ここにきて、グレムも決断した。

母達を騙す形で二人を封印して、戦いを無理矢理決着させたのだ。
「それが神話最後の女神の相討ちなのですね。」
「そうじゃ。最愛の母だけでなく、儂の好きなこの世界を守る為に、そうする以外の選択肢は無かったのじゃ。」
暗い表情のグレムの母に対する想い・・・最愛の母を封印せざるを得なかったからこそ、母に対する想いが強いのだろう。
「しかし、誤算は魔界じゃ。黒の母を封印した為に魔界の消し方が判らぬ。故に地上から魔物を消しても魔界で復活されるのじゃ。」

「そして、魔王が魔界から魔物を率いて地上に現れる度に70年前の大戦の様な事が起きて、グレム様は対抗馬として勇者を出してるのですね。」
グレムの話を聞き魔王と勇者の関係を知り納得するエステア。
「そして、魔王は封印された黒の母に地上征服と儂の捕縛を命じられた魔物達の司令官じゃよ。
黒の母は封印されても魔物達を操れるからな。
現に魔物は方々で暴れておるだろう。」
グレムは苦笑しながら言葉を続ける。
「魔王は儂を捕縛する術を持ち、男の攻撃は効かぬように作られておる。従って儂自身が倒す事ができないから、儂は女の勇者を造った。そして、勇者は魔界の門の広がりを感知してその血を目覚めさせ、儂の元に集うようになっている。」
グレムの言葉で聰明なエステアは理解する。
「では、魔王復活が近いのですね。」
「判らんが、魔界の活性化は事実じゃ。魔王復活でなくても幹部クラスが出てこれば、それだけで人間世界は危機じゃ。」

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