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女戦士ユーナの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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女戦士ユーナの冒険 56

「こうしてみるとグレムって、子供みたいね。」

「………(ユーナ殿、グレム殿は貴女が考えている様な御方では御座らぬよ。)」

昨晩の出来事と今グレムが考えている事を知らないユーナはグレムの無邪気な寝顔をみて和むが、昨夜の出来事を知っている四郎は何も知らず呑気なユーナに突っ込みを入れようか悩んでいた。


だが、その悩みを中断させたのは、四郎の身体に起きたある変化であった。
(むっ?!・・・この感覚はっ!!。)
特徴的な偏頭痛と全身を襲う倦怠感・・・四郎が産まれた時より持っているある症状が具現化しようとしているのを自分自身で感じていた。
(まさか・・・この十年一度も出なかったが、ここで来るとは・・・)
「四郎、どうしたの?。」
多少険しい表情をしている四郎の様子に、ユーナが気づく。
「大丈夫でござるが・・・グレム殿を起こしてくれるかな?。」

「えっ、体調まだ悪いの?。エステアさんじゃなくてグレムでいいの?」
またもや四郎の体調悪化かと心配する様子のユーナに、どうやらエステアも気付いたらしく四郎を心配そうに見る。
「いや、大丈夫でごさるが・・・少々、驚かせると思うのでな・・・。」
強くなる偏頭痛に額を手で抑える四郎は、そう言いながらも『変化』が始まった事に気付いた。
十年ぶり・・・もう来ないと思っていた変化だ。
そう、その変化はユーナやエステアの目にも分かる大きな変化だった。

四郎の顔つきが変化を初め、身体もそれに合わせて変化していく。
「えっ?、ええっ!!。」
絶叫するユーナに言葉を失うエステア。
身長そのものに変化はないが、四郎の胸の辺りが大きく膨らみ、整った顔つきがより艶やかになる。
そう・・・瞬く間に、四郎であった男性は、男装の麗人と化したのだ。
「・・・驚かせて済まぬな。拙者も十年ぶりで驚いてござるが・・・。」
口調こそ四郎だが、その声は美しい女性の声だった。
「なっ?!、ななっ!!。女の子になってるー!!。」

再度のユーナの絶叫に流石のグレムも目を覚まし、アップルすら馬車を止めて中を覗き見る。
寝惚け眼で暫く四郎を見ていたグレムは、何かに気づき口を開く。
「双子じゃな、お主・・・。」
「流石はグレム殿。国の術師も同じ事を言っておりましたでござる。」
四郎の症状を見抜いたグレムと、そのグレムの慧眼に感心する四郎を前に、他の三人は全く理解できない。
特にこの娘は・・・
「ちょ、ちょっと!、そんなんじゃ分からないわよ!!」
叫ぶユーナにグレムが説明する。

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