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女戦士ユーナの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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女戦士ユーナの冒険 6

「パンと葡萄酒だけでいいのに」
湯気の登るスープと粉吹き芋に苦笑した。
昔、父親に狩り(鹿や狐狩り)連れて行ってもらったときに来ていた皮の服。
今ではきつく、特に胸が苦しかったので胸元を切り裂き、皮の紐で調整できるようにしておいた物である。
そして乗馬用の皮ブーツ。
武器は教会からもらった聖銀のナイフとスカートに隠して持ち込んだダガ―とスモールシールド。
はっきり言って冒険者の装備としては悲しいほど貧弱であった。父の目がユーナの部屋に武具などが持ち込まれるのを監視していたからである。
稽古場の道具でさえ持ち込めないでいた。そのためユーナは旅先で揃えようと思っていた。
興奮して眠れない夜を過ごし、日が昇ると再度荷物を確認して早く日が傾かないかと何度も太陽を睨むように見上げた。
ようやく日が昇り切ったが、今度は暮れるのがもどかしかった。
日が大地に近づき、赤く染まり出すとマントを纏い、フードを深く被りいつもの抜け道から外に出ると魔女の家に走って行った。
ユーナが魔女の家に着いた時には既に日は暮れ、辺りは闇に包まれていた。
「約束通り、誰にも見られないように来たわよ。さぁ、私を一瞬で遠くの町まで連れて行ってちょうだい!」
「そう急かさないで…とりあえず中に入りなさい」
魔女の家の中に入ると床に何やら円形の複雑な図形が描かれていた。
「これは…?」
「転移魔法の魔法陣よ、あなたを望みの場所へ連れて行ってくれるわ」
魔女の計画はこうだった。まずユーナを魔法で遠くの町なり国なりに飛ばす。ユーナの家の方は、あのメイドを使ってごまかす。ユーナは愛液と引き換えに手に入れた薬をメイドに渡して、自分が居なくなったら飲むようにと言って来た。だが、その薬の作用は一週間だけだ。その間に魔女は新しい薬を作る。
「その薬が出来たらメイドに飲ませるわ。今度はもっと長く、除効薬を飲まない限りは半永久的にでも効く薬よ。あなたが死ぬまで冒険してたって矛盾は生じないわ」
「ありがとう!ここまでしてもらえるなんて、逆に悪い気がするわ」
「気にしなくて良いわよ。私は領内に無駄な混乱を生じさせたくないだけ。ここは居心地が良いから…」
しかし魔女の本心は別にあった。
(…な〜んてね。新しい薬を飲むのはメイドじゃなく、この私よ。この娘になりすまして領内を支配してやるわ。この娘はお望み通り、遠い町に飛ばしてあげる…二度と戻って来られないくらい遠い所へね)
そして魔女はユーナに言った。
「さぁ、やりましょうか!この円陣の中央に立って、行きたい場所を心に念じなさい」

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