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女戦士ユーナの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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女戦士ユーナの冒険 5

聞かれてユーナはつい、自分の考えていることを魔女に話してしまう。
魔女は少しあきれた顔をしながらも、ユーナの話を聞く。
だが内心は別のことを考えていた。
話を聞き終えて、魔女はひとつの提案をユーナに示した。
「ようするに貴方は冒険の旅に出たいけど、父上に引き戻されることを恐れているのね」
「そうよ、せっかく冒険の旅にでても、直ぐに連れ戻されちゃ意味が無いわ」
そりゃそうよねとあいづちをうちつつ、魔女はかかった獲物を確実に手に入れるために餌をまいていく。
「だったら、その日の内に一瞬で遠くの町まで行けば大丈夫じゃないかしら?」

「本当!?それなら今すぐ私を遠くの町まで連れて行きなさい」
かかったと、魔女は内心思ったが、もちろん口には出さない。
「いいわよ。でも貴方にも準備が必要でしょ。こっちも用意するものもあるしね。お代は結構よ、愛液が充分以上にあるからね。明日の夕方ここへいらっしゃい。誰にも見られないようにね」
「本当?絶対よ!もし明日来て『やっぱりできません。テヘ』なんて言うようだったら退治するからね!」
ユーナは延々と念を押し、最後はメイドに引っ張っり出される形で魔女の家を後にした。
その日の夕食時、両親は日中呼んだのに来なかったこと、そしてお見合いの話を切り出してきた。
ユーナは半分は覚悟していた。
そして残り半分は待ってましたと飛びついた。
「そんなにお見合いさせたいなら、お父様かお母様がお見合いすればいいんだわ!」
ユーナはそう叫ぶとナプキンをテーブルに叩きつけて食堂を飛び出した。
途中すれ違った使用人に「後でパンと葡萄酒を部屋に持ってきて」と命じた。
ユーナのこの行為は屋敷では珍しいことではなかった。
癇癪を起したユーナは部屋に閉じこもる。
食事は使用人が持ってきた物を食べていた。
一度父親が使用人に何も持って行くなと命じたことがあったが、その時、ユーナはいつか必要になるだろうと貯めていた携行食糧を食べて1週間近く閉じこもった。
折れたのは父親であったが、威厳を保つために頭は下げず、食事を運ばせるだけにとどまった。
「さてと」
ユーナはスカートを軽くまくると部屋に駆け込んだ。
クローゼットに入ると衣装箱を開け、隠してあったカバンを引っ張り出した。
中にはいつか冒険に出るために用意しておいた物が詰まっている。
装備品と携行品を分けると携行品を背負い袋に詰め込んだ。
コンコン
≪お嬢様、食事をお持ちしました≫
「ありがとう。そこに置いて行きなさい」
ユーナの返事に使用人が去っていく音がした。
ユーナはそっとドアを開けると扉の前に置かれていたトレーを引っ張り込み、パンを咥えると準備を急いだ。

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