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女戦士ユーナの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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女戦士ユーナの冒険 106

こうしてダキアは現在の中規模勢力に至ったのである。


その頃…。
―ラテン帝国 首都ビザンティウム 元老院議事堂―
多くの議員達が、野心的な瞳を輝かせた壮年の男が議事台に上がるのを静かに見守っていた。男は大声で演説を始めた。
「諸君!このダイヤモンドを見たまえ。この良質なダイヤを産出する地が我が国の北方にある!その国は我等の先祖を虐げた一族を匿っている。そんな事を許して良いのか!!?」
「許してはならない!!」
「そうだ!許してはならない!!」
「「「打倒ブランシュ!!打倒ダキア」」」
演説台でダキアとブランシュ大公を非難するこの男こそ、無血革命で皇帝になったナパローニ皇帝その人である。

血統によらないラテンの執政官にとって、演説は民衆や元老院の支持を得る為には必要不可欠なスキルである。
数多くの執政官が素晴らしい演説で民衆を熱狂させ、元老院を納得させながらラテン共和国を発展させてきた。
もちろん軍功や財力も必要だが『演説なき執政官あらず』と言われるラテンでは、まず演説の能力が問われるのだ。
その点、ナパローニは卓抜したと言っていい演説能力を有していたのである。
「ダイヤだけではない!ルビー、サファイア、トパーズ…それらは牝豚の身を飾るだけのものか!?」
「「違う!!」」
牝豚とはダキア王家を揶揄する言葉で、伝統的に共和国で使われてきた言葉である。
「そして、鉄、金、銀!…神は何ゆえに牝豚を肥やす!?」
「「そうだ!牝豚に鉄槌を!!」」
会場のボルテージは最高潮に達していく。
王達のお菓子とも表現されるダキア…ダキアを征する事は大陸を征すると言って良いほど資源に恵まれてる。しかし、ダキアを狙うという事は列強諸国を刺激し、強大なラテンとて集中砲火を喰らいかねないほど危険な行為なのだ。
それにラテンにとっての難関は国境のブランシュ城だ。難攻不落のこの城塞を、祖母と違い自制心と機知に富んだ大公カタリナが守備している。
しかも、ダキア随一の精鋭が守備しているのだ。ここで時間をかけると、他国の干渉を受けるのは必至…これまでラテンは何度もブランシュ城を攻めたが撤退を余儀なくされていた。
他の路も無い事は無いが、大軍を移動できるのはブランシュ城ルートしかなく、ヘタな間道を通れば地の利があるダキア軍の思うつぼであった。

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