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女戦士ユーナの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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女戦士ユーナの冒険 103

エステアによると、ナパローニは元老院議員であり、強硬派の首魁ともいうべき人物だ。
元々はフランシアの王族であったが、幼い頃からビザンティウムで育ち、ラテン共和国軍に入隊、武勲を重ね、有力商人の娘と結婚し、ラテン共和国の市民権を得た。
市民権を得た後もフランシアの王族である事は変わらず、彼は公爵位とフランシア王国の王位継承権も持っている。
「フランシアとは、またきな臭い名前が出たのう」
グレムはその名を聞いて顔をしかめる。ラテンがダギアの表の宿敵なら、フランシアは裏の宿敵である。
そもそもラテン共和国成立の時から、フランシアの暗躍は始まっていた。
…約200年前。ラテン王国の人々は暴君と呼ばれた女王の下、圧政に苦しんでいた。耐えきれなくなった人々は次第に隣国ダギアに逃げ込むようになった。打ち続く逃散により労働力不足に悩んだ女王は解決法を思いつく。それは各地にいる魔物達を奴隷として働かせる事だった。
魔界が封印された後、人間界に残された魔物達は各地に散らばり、略奪などをして飢えをしのいでいた。
しかし、魔物の中には平和に暮らす事を望む者達もおり、これを聞きつけた女王は『ラテンに来れば平穏に暮らせるよう取り計らう』と布告を出した。また各国にも『捕らえた魔物達を殺さぬように』と頼み込んだのである。それを聞いた魔物達は、女王の事を慈悲深い人間だと勘違いし、その慈悲にすがろうとラテン共和国へと移住した。
だが、希望を抱いてやって来た魔物達に待ったいたのは、奴隷としての暮らしである。
魔物達とて好き好んで奴隷暮らしなどしたくはなかったが他に行く当ても無く、またいつ魔界の門が開くか分からなかったため、仕方なく奴隷の身に甘んじる事となった。
更に女王はダギア王国に掛け合い、逃散した民を送り返すように頼んだ。ダギア王国としても親戚の頼みであり、自国の治安悪化の懸念があったので、逃げ込んだラテン王国の民を捕らえて引き渡した。強制送還された国民は見せしめのため、半分は処刑され、残り半分は奴隷にされた。
こうして労働力不足は解消されたが、女王に対する恨みは蓄積されていく。

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