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セラフィック・ドール
官能リレー小説 - ファンタジー系

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セラフィック・ドール 1

セラフィック・ドール……
それは女性の子宮に、「真結晶」と呼ばれる特殊な鉱石を埋め、通常では計り知れない程のパワーを少しずつ身につけさせることのできる戦闘人である。

かつての国々はその戦闘人を戦争や人殺しに用いらせるため、生身の女性を実験材料とし、セラフィック・ドールを大量に生産させた。
よって、国の権力者や王族は、それにより多くの冨を獲得できることになったが、なぜか栄えた筈の国々が唐突に崩落し始めた。

理由は簡単だ。
その国から男性が一人も居なくなってしまったから。
セラフィック・ドールとは、女性の子宮に鉱石を埋めれば良いのだが、それだけでは理性は保てない。
被体者の身体が壊れてしまう。だから、それを防ぐ為の潤滑油として、男性の精液を一緒に流し込む必要があるのだが、そのセラフィック・ドールが強くなれば強くなるほど、より多くの潤滑油が必要になってくる。
その度に、王族は農民や奴隷をセラフィック・ドールと交わらせ、その過程で民も疲れ果て倒れ伏してしまった。

その時ようやく気が付いた王族は、既に為す術もなく、欲情して我が身を抑えることも出来なくなったセラフィック・ドール達に、滅ぼされてしまった訳である。

〜七百二十日戦記〜




これは、セラフィック・ドールと人間が歩む、奇跡の物語の幕開けであった……




〜〜〜〜〜〜

アベス歴、六三五年。
南北ヴァラル大陸の末端に位置するワーリク村では、今日もまた、陽も空高く登っているのに、反比例するかのように眠っている、一見どこにでもいるような少女がいた。

「……くか〜〜………っすこ〜…」

ごろごろと身体を動かし、散らかった部屋を無造作に蹴ったくって布団を抱きしめているさまは、まるで蓑虫を思わせた。

…カンカンカンカンカンカン!

突然、激しく金属を叩く音が響いた。

「…うぅ〜ん……うるさい…すかー…」

カンカンカンカンカンカンカンカン!

「うるさい!何なのよ朝っぱらから!人がせっかくいい気持ちで寝てたのに!」

相当機嫌が悪いのか、少女は起き上がりざまに大きな声を出す。

「う…ごめん。でもレアナはこれぐらいしないと起きないでしょ。それにもう昼だよ?いくら寝ぼすけだからって、これ以上寝るのは良くないよ。
…髪、ボサボサだし。」

レアナは、首までかかった緑色の髪をちらりと見ると青年をギロリと一睨みする。すると、何か意外そうに目を開く。

「そういえば、なんであんたが村にいるのよ?今頃は確か教会の詰め所で働いているんじゃないの?」

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