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姉妹と少年〜復讐者たち
官能リレー小説 - ファンタジー系

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姉妹と少年〜復讐者たち 38

アンジェリカは昨夜の様子をどうやって説明しようか悩んでいた。
昨夜……
いきなり現れた謎の女性がアンジェリカ、ジェシカ、フロールの性欲を解消し、手の施しようがないクーとシャーレの呪いを解いてしまったと……
特にクーとシャーレの呪いは完全に解呪され、これからはテオ同様に守護すると……
『それじゃあテオに宜しく……』
彼女達はそう言ってアンジェリカの眼前から消えてしまった事……
その後、アンジェリカ達の性欲は我慢できるレベルまで下がり、息子達の性欲もそれなりに落ち着いていた。

嘘みたいな話で、急遽来て貰った司祭に様子を見て貰うと、彼女達や息子達から完全に魔女の呪いの痕跡が消えていたのである。
これにはその司祭すら驚くぐらいの事だったが事実である。
アンジェリカやジェシカにフロールは、普通の生活ができるレベルになり、息子達との関係も(多少の肉体関係はあっても)概ね普通の仲の良い母子関係になっていた。
ただし……
女になったヒューストンはどうにもならなかったらしい。

しかもそのせいで今まで使えていた魔法がうまく使えなくなったらしく。
ヒューストンはいろいろな意味で、人生の選択を迫られていた。
今まで自分が築き上げてきたものを魔女によって崩されてしまった。
その衝撃は想像を絶するものであろうはずだ。なのにその張本人はというと。

「確かに今まで築き上げたものがなくなってしまったのはショックですが・・・。
 私は後悔していません。私は神の忠実なる僕として、ジェシカさんたちを救うことができたのですから」

などと聖母のごとき慈愛の微笑みでそうのたまった。
本人は悪気などかけらもないのだろうが、その笑顔は破壊力満点。
テオは敬虔なる信者ゆえの無防備さに、心臓の高鳴りを押さえるのに多大なる労力を必要とした。
後にアンジェリカに相談して、ヒューストンは女としての心得を教えてもらうようになるのだが・・・。
彼・・・いや彼女の天然の無防備さは一生治ることはなかった。
とにかく全員が無傷とは行かないまでも、何とか無事に魔女の襲来をやり過ごしたパーティはこれからのことを相談することにした。
目的は当然魔女がいるであろう、スェイル王国の王都。
大国とまでは行かないまでも、それなりに大きな国であるスェイル王国の王都に魔女が居座れるとも思えないが、せっかく見つけた手がかりだ。
このチャンスを見逃す手はなかった。
問題はそこに行こうにも、パーティの戦力が魔女のせいで低下してしまっていることだ。
パーティの生命線であるヒューストンは、女になったせいで魔法が思うように使えず。

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