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姉妹と少年〜復讐者たち
官能リレー小説 - ファンタジー系

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姉妹と少年〜復讐者たち 19

暗く狭い露地を行くと、その寝間着姿の女がフラフラと歩いていた。
その不自然な歩き方にフロールはある事に気付いてジェシカとアンジェリカに耳打ちした。
「あの不自然な歩き方って、何かに操られてません?」
「そうね、透明になった何かが彼女を動かしているようね」
アンジェリカもその不自然さに気付いて言う。
遠隔で操るならかなり高度な魔術だが、気絶させたり眠らせる魔法や、身体を透明にする魔法ならそう高度ではない。
どちらも低級な魔物が使う魔法だが、こんな街中で堂々とはなかなか無かった。

「待ちなさいっ!!」
透明な相手に声をかけて機先を制しようとジェシカが声をかける。
それは成功のようで、女の動きが止まると同時に、女の左右に人影が現れる。
それは暗闇でよくは分からないが7、8歳ぐらいの子供が二人であった。
子供らしい事も意外だったが、その子供達は暗闇の中で明らかに動揺していた。
そして、その子供が発した言葉がジェシカ達を更に驚かせた。
「…マッ…ママッ!!……」
トテトテと駆け寄ってくる二人の子供が近寄ってくるとその姿が見える。

一人は黒い肌に頭には二つの巻き角、左右色の違う瞳をした可愛らしい子。
もう一人は黄金の瞳をして、頭に犬のような垂れ耳を乗せ、ふさふさの巻いた尻尾をした、これまた可愛らしい子。
半分泣きべそをかきながら、巻き角の子はフロールに、垂れ耳の子はジェシカに抱きつく。
そう、そのジェシカとフロールに似た女の子のように可愛らしい子は、とある教会に預けた筈の二人の長男達だった。


魔物のハーフである二人の子供は、産まれて一年でこれぐらいの体格まで成長した。

そこまでは人間より早いらしいが、ここからの成長は人間の十倍ぐらいかかるらしく、殆ど成長していない。
それは、彼らの父親が悪魔と獣魔と言うそれなりに高度な魔物だったからのようだ。
それでも産まれて4、5年程度だから母親が恋しいらしく、ジェシカとフロールの胸にしがみ付いて泣き出してしまった。
ジェシカとフロールも涙ぐみながらも、何故息子達がここに居るのか戸惑っていた。
実は彼女達も息子達も知らない事だが、息子達の出生には秘密がある。

彼女達と共に拐われた従姉が一気に6人も孕んでしまったので、魔女がまだ孕んでいなかったジェシカとフロールの胎に魔法で転移させていた。
だからある意味、血の繋がってない子供なのだが、彼女達が産んだ事には違いなく、彼女達も息子達も実の母子と信じて疑ってない。
とりあえず息子達が落ち着くのを待ち事情を聞いて見ると、息子達は教会に来た仮面を着けた優しいお姉さんにこの街に連れて来られ、女を多く集めると母親と会えると言われたらしい。

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