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姉妹と少年〜復讐者たち
官能リレー小説 - ファンタジー系

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姉妹と少年〜復讐者たち 18

一応、本人の強い希望でヒューストンと一緒に近くでジェシカたちの護衛をやってくれているが・・・。
不安要素の1つであることは否めない。
しかし精液中毒である3人にとって、自分たちの性欲を1人で静めてくれるテオの気持ちはとてもうれしかったりもする。
乙女心はいろいろ複雑なのだ。

しかし幸いと言うべきか、やはりと言うか。
パトロール初日でいきなり犯人が出てくるわけもなく。
初日はスケベ根性を丸出しにした浮浪者や町の男たちをあしらっただけで終わりを迎えた。
宿屋に戻った一行は、おとり役の3人から今日の手ごたえを確認した。

「いかがでしたか、みなさん?今日絡んできた男たちの中で怪しい人物はいましたか?」
「全然。年齢の割りに性欲だけはすごい、ただのスケベね、あれは」
「立ち居振る舞いも一般人のそれだし、とてもあいつらが誘拐犯だとは思えないわね」
「念のため魔力の探知やまわりの人たちも見てましたけど・・・特に不審な点はありませんでした」

予想以上の成果に、パーティ一行は思わず嘆息する。
だがここであきらめてはいられない。
この後パーティは、探索範囲を広げるか、場所を変えるかなどのミーティングをして次の日のパトロールに臨むのであった。

――――

「・・・ん?」

そしてパトロール開始から1週間目。
今夜も何の手がかりも得られずに宿に帰ろうとしていたジェシカは、視界の端におかしなものを捉えた。

「姉さん、どうしたの?」

姉の変化にいち早く気づいたフロールが声をかける。
だがジェシカは誰もいない十字路を見るばかりで何も答えない。
そんな態度に焦れたアンジェリカが少し注意しようとすると、それより先に再びフロールがその口を開いた。

「何か・・・見つけたのね?姉さん」
「あぁ。こんな時間に寝巻き姿で歩いている女がいた」
「何ですって!?」

ようやく見つけたかもしれない手がかりにアンジェリカが怒りも忘れて身を乗り出した。

「最初は娼婦か何かと思ったけど・・・間違いない、あれはどこぞの富豪か貴族の娘だ」
「じゃあすぐに追わないと!せっかくの手がかりがなくなっちゃうわ!」

言われるまでもない。ジェシカを先頭にフロールとアンジェリカの3人は、弾かれるように怪しい女の消えた路地へと走り出した。
少し離れたところで様子をうかがっていたテオとヒューストンもあわてて3人を追いかけた。
寝巻き姿の女はいったいどこへ行こうとしているのだろうか?

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