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姉妹と少年〜復讐者たち
官能リレー小説 - ファンタジー系

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姉妹と少年〜復讐者たち 17


アンジェリカの言葉に、重苦しい空気が流れ出す。
それは姿を消した娘たちの生きている可能性が、かなり低いからだ。
おそらく犯人は異常者。快楽殺人者か魔物のどちらかだろう。
数ヵ月前から姿を消した娘たちが、何の手がかりも残さずに生きているとは考えづらいからである。
となると、この事件を解決するには、犯人がまた新しい娘に手を出そうとしたときに捕まえるのが1番手っ取り早い。

「それなら1番効果的なのはおとり捜査ですね」

重苦しい雰囲気の中、最初に口を開いたのはフロール。
確かにここには垂涎モノの美人が3人もいる。
犯人が男なら、迷わず彼女らに手を出すだろう。
テオもヒューストンも男として彼女の提案が以下に効果的か、よくわかっていた。
だがそれにはいろいろな危険が伴う。
何しろ相手は町の住人たちも警戒している中、30人近い娘をさらっている相手だ。
できる限り犯人の情報は集めておいたほうがいい。
5人は話し合いの結果、昼は犯人の絞り込みを行い、夜はパトロールをかねたおとり捜査を行うことにした。
しかしこのとき彼らは犯人のことをなめていたと言わざるを得ない。
読者諸君もよく考えてみてほしい。
敵は30人もの女性を、それもその大半は町の住人たちが警戒している中で行ったのだ。
さらに言うなら、相手は貧民街や水商売の女だけでなく、貴族の女にまで手を出している。
相手の実力を見誤ったテオたちは無事、この事件を解決できるのだろうか?
そしてパトロール開始1日目の夜がやってきた―――。

「・・・ねぇ、フロール」
「何ですか、アンジェリカさん?」
「・・・おとり捜査って結構ヒマねえ」
「仕方ないでしょっ!?犯人のせいでみんなすっかり警戒しているんだからっ!?」

アンジェリカの愚痴にジェシカが憤慨しつつも小声で言う。
確かに夜のシロクサの町は、交易の盛んな港町とは思えないほど不気味に静まり返っていた。
時折町の男や娼婦、貧民街の住人らしきものが目に入るがそれもまばらで、にぎやかだった大通りは閑散としていた。
これでは娼婦の格好をしておとり捜査している3人も退屈で仕方ないだろう。
とは言っても、ヒューストンとテオの聞き込みだけでは役不足もいいところだから、これが最善の策なのは間違いない。
ヒューストンはやはり神官だけに裏稼業のそう言うのに詳しい情報筋からは相手にされないし、10歳以下の子供の姿に変化してしまったテオは情報集めは不自然すぎる。
頭の中身とセックス以外は本当に子供並になったテオは目下の所戦力外だ。

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