PiPi's World 投稿小説

グラディエイター
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 8
 10
の最後へ

グラディエイター 10

武装はオーソドックスな剣と盾…
ヒーターシールドと呼ばれる巨大な盾には、新開発の射出機が内蔵されており、鉄球を数発発射できる仕組みになっていた。
グラディエイターの装甲にダメージを与えるには微妙だが、牽制や魔物相手なら力を発揮するだろう。
鉄球以外にも、目潰し等の特殊球を発射できるようにする計画もある。
剣には細工はなく、グラーナ公国で正式採用されている長剣だ。
だが、名工により鍛えられた剣と、意外にも若いながら剣の名手であるクリスであるから十分だと言える。

そのクリスの号令で、まず動いたのは4号機…ジョアンの機体だ。
4号機は強力な駆動筋を四肢に内蔵させた、パワー型のグラディエイターである。
特徴は、他の機体より頭一つ以上大きな巨体と、両腕に固定されたシールド…
このシールドの内側に2本の刃が収納されており、戦闘時は蟹の鋏のように出して戦う。
また鋏型の刃は、ワイヤー式になっており、多少離れた敵でも射出して鋏む事が可能である。
ただ攻撃力は高いものの、やや小回りが利かず、使い方を考えねばならない機体ではあった。

そのジョアン機とクリス機を挟んで反対側には、ディオとアニータの甥と叔母のコンビが陣取る。
彼の2号機は馬人型と呼ばれるもので、大陸平原部の国家でよく採用されているタイプである。
これは上半身が人型で、下半身が馬の型・・・平野の多くないこの地域では採用されていないが、リグル荒野を想定しての実験機である。
装備は盾と槍…
突進力に関しては人型より優れていると言われているが、小回りが利かないのと地形を選んでしまうのが難点であった。

クリス以下3機の後方には、アルトとソフィアの乗る5号機がついてくる。
完全気密と軽量化によって水中、森林、断崖等の悪条件で戦闘力を維持できる仕組みになっており、最も俊敏性の高い機体である。
ある程度の単独行動ができるように設計され、感応晶に映りにくい特殊素材や塗料を使用し、武装は背中の長刀一本であるが、腕部にはウインチが内蔵されていたりと、極地戦を想定した作りになっている。

この5機共に特殊な作りとなっているが、勿論このまま採用する訳では無い。

あくまでも実験機なので、様々な試みがされているのだ。
その実験機で初の実戦であるから、クリスですら多少の緊張がある。
マリーの乳を握る手にうっすらと汗をかいているのを感じ、司令官がこれじゃいけないだろうと苦笑する。
彼も少年と呼べる歳だが、彼の部下は彼より年下の正真正銘の少年なのだ。
彼以上に緊張しているだろう。
私がしっかりせねばと気合いを入れ直す。

そのクリスのパートナーのマリーは、そんな彼の緊張を知ってか知らぬか、眼前にある轡に噛み付いて必死に声を抑えていた。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す