PiPi's World 投稿小説

グラディエイター
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 44
 46
の最後へ

グラディエイター 46


「ディオっ!」
「・・・わかってるよっ」

その態度に危険なものを感じたシェルは、声を荒げて彼を止めようとする。
すると少しは効果があったのか、苛立ちは隠しきれないまでも理性的な言葉が返ってきた。
その返事にシェルが思わず安堵のため息をついたその時だった。

「―――ッ!?」
「ディ、ディオっ!!」

突然ディオの2号機が、弾かれたように町へ向かって駆け出し始めたのだ。
完全に不意を突かれたシェルは、まだディオの頭が冷えていなかったのかと後悔したが、そうではない。
確かにディオは故郷を魔獣に蹂躙され、怒り心頭だった。
だが彼を動かしたのは魔獣への怒りではない。
2号機の操縦席、そのモニターに映し出されていたのは2人の少女たち。
魔獣の餌場と化した町に、まだ生存者が残っていたのだ。
それを見たディオは、まだ生き残りがいるかもしれない、今行けば数多くの住人を救えるかもしれないと、命令違反を犯して駆け出したのだ。
だがそんな簡単に片付く問題なら、戦争など起こりはしない。
シェルは自身の甘さに舌打ちしながら、急いで自分たちを追っているであろうクリスたちに連絡を入れた。

――――

「何っ!?シェルが?」
「んあァァァッ!?お、おっぱいがっ!お兄様がぁっ!?」

ディオの通信を聞いたクリスは、驚きのあまり妹姫の乳房を握り潰し、その子宮に大量の精液をほとばしらせた。
国内随一の機士(パイロット)であるクリスにとって射精など大した問題ではない。
問題なのは、彼が思わず射精してしまうほどの内容だったということだ。
ヒメイルの町がシェルの故郷だということは、クリスも十分理解していた。
だからこそ、斥候にディオの2号機もつけておいたのだが・・・。
これは完全にクリスの失敗だった。人の心を甘く見ていたのだ。

「ひやぁッ!?お、お兄様、激し・・・っ!」
「ディオっ!我々がつくまでシェルの援護を頼む!
 くれぐれも無理をするなよ!」
『了解っ!』
「くっ・・・シェルの望郷の思いを甘く見てたかっ・・・!
 全員全速前進1秒でも早く、シェルたちに追いつくぞっ!」

クリスは怒りの捌け口を求めるようにマリーに突き入れ、移動速度をさらに上げる。
機体への負担も大きくなるが仕方がない。
優秀な機士(パイロット)と高価な操機兵(グラディエーター)を失えば、それだけ国の維持が難しくなるのだ。
仲間のため、国のため、クリスたちは急いで現場に向かった。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す