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グラディエイター
官能リレー小説 - ファンタジー系

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グラディエイター 39

例えば王族であるクリスのメイドは、昔から仕えている城のメイドや騎士、貴族などの出身者が多い。
気の弱いアルトの場合は気の強かったり世話好きの女性が多いし、ジョアンの場合はH好きの女性や豊満な肉体を持っている女性などが多い。
そしてディオのメイドたちの場合は、身寄りのない女性で構成されている。
例えば孤児院や貧民街の出身者、戦災孤児、奴隷として売られて来たものなどがそうだ。
この戦乱の時代、そういった戦争の被害者の数はうなぎのぼりに上がり、各国でもちょっとした社会問題となっている。
各国はそんな被害者たちに仕事を与えたりしていろいろ救済措置を取っているが、思い通りの成果は上がっていない。
何しろ助けているその間に、また新しい被害者が大量に出てくるのだ。
まさに終わりの見えないいたちごっこである。
そんな国民たちが苦しむ中、手を差し伸べたのがディオであったというわけだ。
彼女たちメイドから見れば、きっとそれは救いの手に見えたことであろう。
あるものは恩に報いるため。
またあるものは自分の家族奪った敵国に復讐するため。彼女たち戦争被害者たちは、それぞれの理由でディオに忠誠を誓っている。
そのレベルはクリスのメイドに負けるとも劣らずで、メイドになる前は自ら妊兵(ダイナモ)に志願してきたほどだ。
結局素質がなかったためにメイドという立場に収まっているが、世界でもっとも忌み嫌われる立場に躊躇なく踏み込もうとするあたり、かなりの覚悟を感じることができるだろう。
そして今日もディオのメイドたちは、主人のため、全身全霊で奉仕するのであった。

――――

ビーッ!ビーッ!

そして次の日。彼ら機士は異常を知らせるサイレンの音と共に始まった。
つかの間の休息にまどろんでいた彼ら機士(ハイランダー)の頭は、その音を聞くなり覚醒し。
己が任務を全うするべく、急いで作戦本部兼司令室であるデッキへと向かう。
突然の異常事態。一体何があったのだろうか?
最初にデッキにやってきたのは5人の機士(ハイランダー)のリーダーであり、王子であるクリスであった。
それにわずかに遅れて他のメンバーたちも次々と駆けつける。

「いったい何があった!?報告しろ!」
「ハッ!本日1時間ほど前、ヒメイルの町から魔獣の襲撃を受けたという連絡が入りました!」
「・・・!ヒメイルの町が・・・!?」

その言葉にディオは思わず耳を疑う。
なぜならその町は彼の故郷だったからだ。
だがそれ以上に不可解なのは、なぜその町に魔獣が現れたのかということ。

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