グラディエイター 32
その疲労はまだしっかりとアルトの身体に残っていた。
「ちょ、ノティム、パンナっ・・・。ボクは今、疲れてっ・・・」
「ああ、申し訳ございません、アルト様。
私どもとしたことが、アルト様がお疲れのことを忘れるなんて・・・」
「大丈夫でございます、アルト様は何もせず横になっていてください。
アルト様が動けずとも、すぐに気持ちよくして差し上げますから・・・♪」
あれだけ仲たがいしていた2人は、こんなときだけ見事に呼吸を合わせると。
休みたいアルトの意思など軽くスルーして、仰向けになってなお天井に向かってそそり立つ剛直に互いの秘裂をこすり始めた。
俗に言う貝合わせの変形だ。
とは言っても、2人とも狙ってやっているわけではない。
その証拠に、アルトに覆いかぶさりながらお互いか滝を見るような目つきでおしくら饅頭をやっている。
「ちょっと!どきなさいよ!?
アルト様はこれから、私の身体で疲れを癒してもらうんだからっ!」
「ハッ!?年下好きのショタコン女が何言ってるんだか。
そんな脂肪の塊のような身体で、ゆっくり休めるわけないでしょ?
アルト様のお相手は私がするんだから、アンタこそ引っ込みなさいよっ!」
「しっ、脂肪!?アンタだって私と似たようなモンでしょッ!?」
「何よ!?」
「やる気!?」
アルトの上で今にも始まりそうな取っ組み合い。
2人に押しつぶされそうになりながら、アルトは涙しながらこう思った。
(うえ〜ん、お姉ちゃん、お母さん、お兄ちゃぁん・・・。
誰でもいいから、ボクを助けてよぅ〜〜〜・・・)
しかしその願いが神様に聞き届けられることがないことは、すでに必然の決定事項なのであった。
――――
「・・・ん?」
「ンぅっ・・・はぁッ・・・。
何か、至らないところがございましたか・・・?ジョアン様ぁ・・・」
「・・・いや。何かアルトの声が聞こえてよーな・・・」
こちらはジョアンの部屋。この日、ジョアンはいつものように10人近いメイドを部屋に引き込んでマッサージをしてもらっていた。
今のところやっているのは普通のマッサージ。
性感の2文字が頭につくようなマッサージには、今のところ発展していない。
残念なことに。