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元隷属の大魔導師
官能リレー小説 - ファンタジー系

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元隷属の大魔導師 93

自分が限界を感じ、欲望を告げたので当然、デルマーノはスパートを掛けるものだとアリアは思っていた。
実際、デルマーノの腰の動きは速くなった。
しかし、急に愛しき彼は甘美なる刺激を与えるのを止めてしまったのだ。
不審に思ったアリアの口をデルマーノは彼女の身体を支えていない左手で押さえた。

「もご………んぅ?」

どうしたのか、と尋ねようとしたアリアの目の前で緑色の閃光が発する。
発光源はデルマーノの左手に填めた魔導媒体の指輪である。

「………誰か来やがった。んま、不可視をかけたから安心なんだが……」

「んんっ………」

デルマーノは入江の出入口からは陰となる岩壁に身を寄せた。
しかし、抱えられ挿入されていたアリアは僅かな振動にきゅっ、と結んだ口からくぐもった声を漏らす。

「…………」

「…………」

二人が岩壁に隠れ、数秒程経つと入江の出入口に人の気配を感じた。
デルマーノが『不可視』の呪文を唱えており、闖入者には見える訳がないのだが念の為、岩影に隠れているアリア達からは相手が見えない。

「………へぇ〜……。こんな所に洞窟が………入江って言うのかな?」

(っ!……デルマーノ、この声って?)

(ああ、あいつは………あの大公の名前、なんつったけ?)

蚊の鳴くような声で二人は話した。

(もう、タラス公よっ……タラス公ドルキンスの長男、サグレス様………)

(ああ、そうだったそうだった……)

デルマーノは大公家の長男で成績優秀、なおかつ少女達が好みそうな顔をした少年を思い出した。
『海原を翔るイルカ』号船内では常に周囲に従者のような少年達と見目麗しい少女達を侍らし、鼻についた為、覚えていたのだ。

「こんな所を知っているのはさすが地元の方ですね〜」

「………です、の…………ええ……」

入江にはサグレスともう一人、誰かが来ているようだが、声が小さく女性だということしか分からない。

「…………」

デルマーノの目の前でアリアは緊張した面持ちで岩壁の向こうにいるであろう二人の気配を探っていた。
そんな彼女を見た、未だに繋がったままのデルマーノの中でムクムクと情欲が湧き上がる。
デルマーノはニヤリ、と悪戯を思い付いた児童のような笑みを浮かべた。

「………あんっ」

急に己の中で再び動き始めた欲棒にアリアは思わず声を上げる。
慌ててアリアは自身の右腕で口を押さえた。

「っ!………んんっ…………ふぅっ……」

押さえた手の内から喘ぎ声が漏れてしまう。

ズッ………ズズッ……ズプゥ………

アリアは驚き、デルマーノを見つめると上の歯を見せて笑っていた。

「……ぅっ………ふぁ………ぅんっ………」

デルマーノは右腕でアリアの乳房を撫で回すように滑る。
例え身体が半分、水に浸かっているとはいえ実質、左腕一本で支えるとは驚異的な身体能力だ。
アリアはサグレス達が早く立ち去ってくれ、と心の底から祈った。
『不可視』を掛けてもらっているが、声から見つかってしまうこともあるだろう。

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