元隷属の大魔導師 233
以前はこんなにイキやすい体質ではなかった。
自分の敏感な場所をくまなくデルマーノが発見し、開発したのだ。
――うん。責任をとってもらうには充分すぎる。
「ぅ、あ……デル、マーノぉ……」
そんな決意とはうらはらに、声は極めて淫靡で、艶かしく、か弱いモノになってしまった。
アリアは頬に熱を覚え――きっと、すでに真っ赤だっただろうから、デルマーノには分からなかっただろうけど――、しかし、それでも続ける。
「その、ね……して、欲しいの……」
「イヒッ!んん〜?何をだ?」
――意地悪だ。
デルマーノは性悪だが、この時は加えて嗜虐的になる。
でも……それが、また、いい。
自分が若干の被虐待質だということは最近、気が付いた。
侯爵家の子女としては恥ずべきコトなのかもしれないが、正直、どうでもいい。デルマーノがそう考えている以上、自分もその考えを基準にするしかないのだ。
でも――、
「いじわる、デルマーノ……でもね、いいの。言うわ。私の膣中に……貴方のその太いオチン○ンをね、挿入れて欲しいの……」
「ヒッヒ……相も変わらず――可愛らしくなるな、アリアは。それで?」
「でね……目一杯、かき回してっ……デルマーノの、赤ちゃんの素――膣奥に吐き出して欲しいのっ!」
「イヒッ……」
デルマーノが歯を見せて転がすように笑うと、そっ、と髪を梳いてきた。
くすぐったくて、心地よくて、アリアは目を細めて、悦ぶ。
甘えるように潤んだ瞳を向けるとデルマーノは期待通り、甘い接吻をしてくれた。
「なんだ?今日は――の日か?」
「……。…………うん」
「そうか。ヒッヒッ――そうだな、今回の任務が終わったら式を上げるか?」
「……え?」
「式だ。結婚式……アリアの親父も公認だしな」
「――ッ!――ッ?」
アリアの脳裏にかすんだ桃色の靄が綺麗に晴れた。
自分でも分かるくらい、相当な驚嘆の開ききった顔をしていることだろう。
すると、デルマーノがおもむろに唇を落としてきた。
「〜〜んっ」
「イヒッ……驚いてんな?そりゃ、なによりだ」
「だっ、だだ……だって……」
接吻で一先ず、落ち着いたアリアは言葉を思い出すように口にした。
「だって?」
「だって――そんな、いきなりなんだもん……」
「ま、な。でも、すでに誰はばかることなく結婚できんし、本当はいつでも良かったんだ」
確かに――もう、形式的な結婚がどうこう、と言う関係ではない。
家や人脈などが絡む貴族の婚姻、夫婦関係とはまったく違うモノだが、それでも、だからこそデルマーノの台詞はアリアを喜ばしたのだった。
そして、デルマーノはアリアの肩に右腕を回すと囁くように続ける。
「ま、アリアが子供を産んでも良い、て言うんだ――良い機会だろ?」
「――うんっ」
「いろいろと面倒が掛かるかもしれねぇが、これからもよろしくな」
「ぷっ……ふふふっ」
唐突に吹きだしたアリア。
デルマーノは拗ねたように唇を尖らせる。