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屍美女の大群
官能リレー小説 - ファンタジー系

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屍美女の大群 73

しかし忘れてはいけない。ここは洞窟で、人間である駿には懐中電灯なる文明の利器すら持ち合わせていない状況なのである。
そのため駿は明日香か静那の腕にべったりくっつかねば動くことができず、それでまた一悶着あったりするのだが、ここでは割愛させていただこう。
何しろ駿どころか明日香ともはぐれてしまった響香たちが大捜索を開始していたのだから。

――――

「くそっ!駿と明日香のヤツ、一体どこに行ったんだよ!?」
「ご・・・ご主人様、落ち着いてくださいっ」

その頃。駿たちの近くでは、綾子&美羽の親子が2人1組で付近を捜索していた。
人間だったらこんな暗い洞窟で分かれて行動するなんてありえない。
しかし優れた身体能力と鋭い五感を持つ屍美女である彼女たちなら、何の危険もなく実行に移すことができる。
2人1組なのは、万が一のために佳代が提案した措置である。
しかしそんな佳代も、綾子たちが駿のにおいを知らなかったことまでには気が回らなかったらしい。
2人は嗅ぎ慣れないにおいを頼りに探していたが、思うような成果を挙げられずにいた。
いらだつ綾子に、美羽は腫れ物を触るような態度で綾子をなだめる。
何やら親子らしからぬ危険な単語が聞こえたような気もするが、この際無視しておく。

「やかましいっ!あんまり口答えすとおしおきするよっ!?」
「ひっ!?も、申し訳ありませんっ!」

何やら次々飛び交う危険な単語・・・。この2人、ホントに親子なんだろうか。
その時だ。美羽の鼻が懐かしい、かいだことのある不思議なにおいを捉えた。
「御主人様、駿兄ちゃんと明日香の匂いが…とっ後一人いますが、すぐ近くにいます。」
駿と明日香の匂いを察知した美羽は綾子に知らせた。
「でかした美羽、流石はあたしの娘だ。早く案内しろ。」

美羽を褒める綾子の顔は、まさしく子供を褒める母親そのものの表情だった。
確かに主人と奴隷と言う妙な関係になった母娘だが、血の絆が単に主人と奴隷と言う関係以上に二人を結び付けていた。
綾子にとって、『調教』と言う手段が最大の愛情表現であるし、美羽も調教を受ける事で今まで望んでも得れなかった母親の愛情を感じていた。
つまり…これでも、二人にとっては非常に良い母娘の関係なのだ。
綾子は娘を抱き寄せながら笑顔で言う。

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