屍美女の大群 288
「そ、それでっ?マリナさんのほうは大丈夫なの?」
響香の照れ隠しの質問に、駿は自信を持って答える。
「うん。マリナさんなら大丈夫。
しばらく動けないかもだけど、もう死にたいとか言わないと思うよ」
「だろーねー・・・。お兄ちゃんてば、すごかったもん」
「日頃からみんなに鍛えられていますから」
「・・・・・・っ(静那赤面)」
そう。それは屍美女の食糧兼恋人として毎日相手し続けた結果であった。
生物学上の分類はまだ人間である少年、神薙駿。
しかし屍美女を正気に戻すだけの精力を持つこの少年は、毎日休まず屍美女の相手をすることで、その精力に磨きがかけられていたのだった。
そんな駿が本気で人間を抱いたらどうなるか。
その結果が今のマリナの姿というわけである。
恋人の勇一を失い、生きる気力を失っていたマリナであったが、これでもう死にたいなどとたわけたことを言うことはないだろう。
死ぬほどイカされ、その恐怖をイヤと言うほど味わったのだから。
まだ死にたがるようであれば、また今日のように生命のすばらしさを身体に叩き込んでやるまでだ。
(・・・そんなことはもうないだろうけど)
駿がそんなことを考えていると。
周囲からむにゅりとやわらかい感触が広がった。
見ればそこにはたわわに実った乳房を押し付ける、獣娘ズと家族たちの姿が。
「え?え?いきなりどうしたの、みんな?」
「マリナさんばっかりズルいよ、お兄ちゃ〜ん」
「妾も・・・もう、我慢・・・できない」
「そーゆーこと!駿君にはこれからたっ・・・ぷり、アタイたちの相手をしてもらおうかね!」
「え?え?ええっ!?」
今終わったばかりで疲れているのに!
駿は必死で抗議したり逃げようとするが、一度性欲に火のついた屍美女には通用しない。
「さ、駿ちゃんっ。一緒にベッドに行きましょ〜♪」
「きゅ〜っ♪」
「あ、あ、ちょっと待・・・!た、助けてぇ〜っ!?」
駿の叫びもむなしく、彼は出荷される家畜のように屍美女たちに引きずられていくのであった。
後に運転室で事の全てを聞いていた佳代から、またこってりと搾り取られることになるのだが、それは余談である。
ピンク色の欲望で満たされた潜水艦は本土を目指して進んでいく。
その先に待つのは破滅か、栄光か。
それは誰にもわからないことだった。
−完−