屍美女の大群 62
「キイィィーッッ!!…やってくれましたわねっ!!…」
「やってあげちゃったもんねっ!…もう、いくらでもやってあげちゃうからっ!!…」
…そこからはお互い、殴る、ひっかく、掴む、噛むのオンパレード…
不毛なキャットファイトと化した。
屍美女の治癒能力がおいつかないぐらい、美しい顔は腫れ、鼻や口からは血が滴り落ちる。
ここまでやって両方引けないのは…駿の存在である。
しかし、このキャットファイトも、徐々に上を維持する静那が優勢になって行った。
徐々に静那の手数が勝るようになり、明日香は反撃もできぬまま、いいように殴られるだけになってしまった。
一撃一撃を顔面に喰い意識が飛びそうになっていく。
その薄れいく意識の中で、腰のポーチからこぼれたある物に目がいった。
(…使える…かも)
意識を総動員して頭の上に手を伸ばす。
転がっている岩塊を掴み、思いっきり静那にぶつける。
ゴンッ!…
予測していた静那が拳で岩塊を打ち落とす。
しかし、やはり屍美女と言えども拳で岩を殴れば痛い。
その少しの間隙を突いて、明日香は手に取ったある物を少し腰の浮いた静那の股間にねじ込んだ。
「ひっ!、ひぃあっ!!…」
予想外の刺激に驚いて硬直する静那…セックスの経験あれど、静那の淫唇は驚く程に未熟だった。
静那にとってセックスとは挿入して腰を振る事だけしか知らない。
バイブなんて、想像すらできない道具であった。
「いやあアァァアァッ!?何?何これぇッ!?取って、取ってえッ!?」
未知の感覚と道具に今までのやり取りを忘れてパニックに陥る静那。
まぁ戦国の平安時代出身の彼女からしてみれば、自分の大事なところにでっかいイモ虫が暴れまわっているようなものだろう。
気高い伝説の女武将は、恥も外聞もなく泣き喚きつつもバイブに触れずに悶えていた。
思わず持っていたバイブを使った明日香も、あまりの効果に呆気にとられた。
「はやや〜・・・。すっごい威力。ここまで反応するなんて・・・智恵ママに感謝しなきゃ。
さぁて、弓姫さん?そのバイブ取ってほしい?」
「取って、取ってえっ!!」
「じゃ、交換条件。あなたが捕まえた駿お兄ちゃんを私に返して!」
「・・・ッ!!」
それは弓姫にとって、あまりに無慈悲な究極の選択であった。