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屍美女の大群
官能リレー小説 - ファンタジー系

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屍美女の大群 59

静那の父、源為朝は 210cmの大男で16歳にして九州を制圧した豪傑である。
保元の乱で兄の源義朝や平清盛に破れて伊豆大島に流されるが、十数年の伊豆大島生活で、暇つぶしを兼ねて子供達に九州で編み出した実践的な武術を仕込んでいる。
静那も父に武術を仕込まれ、父の伊豆諸島統一の戦に参加して活躍した。
為朝の子供の中でも静那は父の才能を色濃く受け継いだ女傑で…彼女の血筋からか、神薙家の女性は皆、武術に素晴らしい才能を見せる者も多い。

そんな女傑、静那が見えぬ敵に慎重になっているのも、この敵が一筋縄ではいかないと察していたからだ。
静那でないと気付かぬぐらいに気配を殺して此方を伺っている。
どうやら人数は一人ぐらいのようだが、静那は矢筒から矢を取り出して弓を構える。

静那が睨むその先には、明日香が一人物陰で必死に息を殺していた。
屍美女であるから、息を長時間止めていても何ら影響は無い。
気配は何とか殺せるが、そこから先に動く事が出来ない。

やはり、静那から発する威圧感に、幼い明日香では不死身であれ、なかなか飛び出す事は出来ない。
静那が近付いてくるのは気配だけでなく匂いで解る。
発情した屍美女独特の匂いに混ざる駿の精液の匂い…それが余計に焦燥感を煽るが、動くには相当な勇気がいる。
その時、明日香は祠に入る前に佳代から聞いた注意を思い出していた。

一方、矢をつがえる静那も独特の屍美女の匂いを感じていた。
一歩一歩と歩みを進める事に匂いが変化していく。

淫汁の匂いに混じる尿の匂い…それも大量に漏れてくる事に静那はニヤリと笑う。
屍美女になって新陳代謝は活発になっているのか、常に滴る淫汁だけでなく排泄物もしっかりと出る。
しかも、この場合は恐怖による失禁だ…少なくとも静那はそう思い、一気に距離を縮める。
その瞬間…
ヒュンと物陰から飛び出てくる物…考えるより早く静那は弓を引き絞り矢を放っていく。
唸りを上げて飛ぶ矢は、何かに突き刺さってそれを砕く。
それが岩塊であると確認した瞬間、静那は次の矢をつがえていた。

もう一つ飛んでくる物に、静那は超速射で矢を放ってみせる。
屍美女の身体能力に、彼女の技が合わさり生まれた超速射だったが…次に貫いたのは、先程より大きな岩塊。
しかも、その岩塊の影から更に何かが飛び出してくる。
「ぬおっ!!…」
思わず叫びながら、後ろに飛んで避ける静那…弓は間に合わないと見て避けたのは流石である。
岩と共に飛び出してきた明日香の奇襲は、仕留めそこなったが、間合いを詰めれたのは成功と言えるのかもしれない。

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