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屍美女の大群
官能リレー小説 - ファンタジー系

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屍美女の大群 58

綾子はかなりバツが悪そうな表情のまま、智恵美から身を離してプイッと横を向く。
「姉ちゃん、そんな心配しなくていいって!…アタイも姉ちゃんも不死身なんだしさっ!」
「でもっ、でもっ、お姉ちゃん心配で、心配で…綾子って、いっつも無茶ばかりするから…」
泣く姉に綾子の方はタジタジになっていた。
佳代の時のような恐怖とは違い、智恵美に対しては複雑な心境でなかなか向き合えないようだ。

「あ〜もう、姉ちゃん気を付けるから泣き止んでよ。」
「本当に約束よ。じゃないとお姉ちゃん泣いちゃうからね。」
智恵美のしつこさに綾子は無茶はしないと約束するが、それでも智恵美は綾子の言葉を中々信じなかった。
「姉ちゃん、信じてくれよ。それに今は駿を見つけないとヤバいだろう。大きくなった甥っ子に会えなかったら生き返った意味無いよ。」
話を元に戻す為、綾子は駿の事をネタにして智恵美の気を変えさせるようにした。
「そうね、綾子の言う通りね。駿ちゃん、今頃大変な目に遭ってるかも知れないわね。」
「そうだぜ、姉ちゃん、駿はあたしらと違って生身の人間だ急いだ方が良い。」
駿をネタにさせ智恵美の気を逸らすのを成功した綾子だったが、幼くして死に別れた甥っ子の駿が心配していた。
そして気がかりなのはもう1人。この場にいない明日香だ。
何しろ敵は戦国時代を生き抜いた伝説の弓姫。
いくら武道を得意としているとは言え、戦いを知っているものと知らないものでは実力が違いすぎる。
おまけにこの洞窟にはいろいろな罠がある。
佳代はいつになくまじめな顔をしてつぶやいた。

「・・・早く2人とも見つけてやらねばの」

しかし運命とは非情なものである。
弓姫が気配を察知し、撃退しに向かった相手。
それはこの中で行方知らずとなっていた明日かその人であったからだ。
兄と慕う駿を救おうと単身進む明日香に弓姫静那の弓矢と剣が今まさに迫りつつあった。

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