屍美女の大群 51
そして、最後に佳代と響香の2人は。
「かっかっか、まいったの〜」
「笑ってる場合じゃないでしょ!?」
カンラカンラと笑う佳代に響香の鋭いツッコミが入る。
激流に落ちたとき、真っ先に正気に返った佳代はとっさに響香の手をとり、今いる岩場に流れ着いたのだ。
「仕方ないじゃろ。とっさに助けられたのは響ちゃんだけじゃったんじゃから」
「助けてくれたのは感謝するけどっ!あの2人とはぐれたのが問題なのよっ!
明日香はああ見えてまだ小さいし、お母さんにいたっては・・・!
あーもーホントにどーすんのよっ!?」
そう言って響香は頭を抱える。
無能の母親に幼い明日香ではどこかで迷子になってたり、ムチャしてたりする可能性が高いから無理もないが・・・。
お母さんモード全開の響香に、佳代はため息を1つつくとこう言った。
「まぁ・・・気持ちはわからいでもないがの。
たぶん放っといても大丈夫じゃろ」
「なッ!?ちょ、佳代ママ本気?!」
「本気も本気じゃ。2人とも不死身なんじゃ、いくらムチャしても問題あるまい?」
「で、でも!もしあの2人が迷子にでもなったら・・・!?」
「その時はその時じゃ。
今は時間も限られとる駿の救出が最優先すべきじゃろ?」
佳代の言葉に響香はグッ・・・と詰まる。
いくら優しい彼女でも、愛しの駿を出されては弱い。
「それにの。智恵美もああ見えて存外バカにはできんぞ?」
「何言ってんのよ。あのお母さんに頼りにできるものがあるって言うの?」
「クックック・・・さぁて、の」
響香の呆れる顔を尻目に、佳代はさっさと歩き出す。
楽しくて楽しくてたまらないとばかりにあふれる笑い声をこぼしながら。
「もう、佳代ママ笑ってないで答えて。」
佳代の笑い声に少しキレ気味になる響香。
「怒るな、智恵美はあれでかなりの根性の持ち主じゃ、特にこういう時が強運が多いに発揮されるやすい。直ぐに会えるぞ。」
「そうね・・・母さん、あれで根性あるしね。それに駿ちゃんの救出が大事ね。」
根拠は無いが、母を心の底から信じる佳代子に響子も半信半疑ではあるが、佳代の凄まじい自信に響子も安心感を得る。
響香は頭を切り替えると、佳代と共に闇の中へと姿を消した。
――――
そして駿と弓姫はどうなったかというと。
「あッ、あッ、ああッ!?す、ごいっ!?
駿王丸っ、あなた、いつの間にこんなに強く・・・?」
「違うっ。オレは駿だ!何たら丸とか言う名前じゃないっ!」
不意を突いて組み敷いた駿は、弓姫を快感で気絶させようと猛然と腰を振るう。
しかしやはりパワーアップが弱いせいか、結果は思わしくない。