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屍美女の大群
官能リレー小説 - ファンタジー系

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屍美女の大群 43


時が、止まった。正確には弓姫が固まった。
手を振ってみる。反応なし。触ってみる。反応なし。
何か知らないが、触らぬ神にたたりなし。
駿は彼女からそっと立ち去ろうと背を向けて歩き出す。
・・・が。それより早く夢姫が再起動した。
それもかなり怖い感じで。

「うふ、うふふ・・・いやだわ、駿王丸ったら冗談ばかり・・・。
 私のことを忘れたなんて。
 私をあれほど熱く激しく抱き、腹の膨れるほどに精を注ぎ。
 子供まで産ませたというのに・・・」

いやそんな記憶はないんですが。
そう思ったが、何か危険なものを感じて言うのをやめた。

「そうよ、駿王丸が私を忘れるわけなんて・・・!
 ねえ、駿王丸。わらわを忘れたなんてうそですよ、ね?
 何かの冗談ですよ、ね・・・?」

それは確認というよりも懇願のような聞き方だった。
正直に言うか?駿王丸として振る舞うか?
究極の選択を迫られていた。
「…あのお…やっぱり知らないんですけど…」
駿のその言葉に、静那の表情は凍り付き、ヘナヘナとその場に崩れ落ちた。
ちょっと可哀想な気もするけど、響香達が心配な駿は、そーっとその場から立ち去ろうと入り口らしき方向に踵を返した。
そして、なるべく刺激しないように、ゆっくり一歩、二歩…
だが、三歩目を踏み出す前に駿の動きは止まった。
背中に柔らかい感触…背後から回された美しい腕…
間違い無く、自分は美獣に捕らえられた事を悟らせる結果だ。

正直、振り返るのが恐い。
いや、僕…本当にピンチかも…
頭の中で鳴り響く警報に、頭脳を総動員して解決法を探るが…全くもって身体能力で劣る駿に解決法は出てくる訳も無い。
駿を捕らえた美しい腕は、駿の薄い胸板を優しげに撫で…もう片方の手は、こんな時でも無節操にそそり立つ剛直を掴む。
「…思い出せぬかえ…思い出せぬなら…思い出せるまで交合うまで…」
美しい声だが、駿には地獄の蓋を開けて漏れてきたような声に聞こえ、思わず身震いしてしまったのだ。

…全部…吸われちゃうかも…
逆らっても逃げる事のできない駿は、この先甘く快楽に満ちた地獄が待ってる事に、気が遠くなるような気がしていた。


一方、佳代達は…
あの扉の奥に向かって四人で向かい始めた。
因みに、あのバイブだが…智恵美の淫裂に刺さったままである。
そんな事や、響香と佳代の鬼ごっこ等で意外と時間を食った四人だったが、佳代はみんなを抑えながら慎重に奥に進む事を選択していた。
弓姫が襲ってこないとしても、人工の石造りの壁は、さっきの蝙蝠のような仕掛けが無いとは言えないからだ。

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