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屍美女の大群
官能リレー小説 - ファンタジー系

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屍美女の大群 39

姉の言葉に駿はすぐに『敵』が来たのだと理解して身構える。
もっとも武器はないのでいいとこ逃亡の準備くらいしかできないのだが。
やがて屍美女にしか聞こえない音が大きくなり、人間駿の耳にも聞こえてきた。

ゴソ・・・ガサゴソ・・・

音からしてかなりの数だ。緊張がピークに達したその時。
ヒュン、と風切り音がしたかと思うと、照明代わりに使っていた懐中電灯が何かに貫かれ、破壊された。
唯一の明かりが奪われ、あたりは暗黒に包まれる。
それと同時に周りを囲む何かが一斉に襲いかかった!

キキキキキ・・・!!

それはコウモリの群れだった。
それも10や20ではきかない。数百匹はいるであろう大群だった。
しかもよく見ると、普通のコウモリと違い、何やら金色にボンヤリと光っている。

「「うきゃああぁぁっ!?」」
「駿っ、伏せて!」
「わああぁぁああッ!?」
「くッ・・・!さっさと消えんか、この畜生ども!」

駿は身を伏せてやり過ごし、他の4人は引きを片手に追っ払う。
そして10分後。コウモリの大群はどこかに消え失せ、後には身体のいたるところを金色に染めた駿たち5人が残された。

「ふー・・・ッ。やっとどこかに消えおったか」
「けほけほ・・・何か身体にコウモリの金ピカが・・・」
「ふえええん、駿ちゃあん・・・!!」
「お兄ちゃあん、明日か怖かったよおっ!!」
「あ、こら2人とも!?ドサクサ紛れに抱きつくなっ!?」

恐怖の大群がいなくなり、ホッと一息つく一同。
しかし安心するのはまだ早かった。

クラッ。

「・・・れ?」
「駿・・・?一体どうし・・・あれ?」

その時、駿は急に身体から力が抜け、尻餅をつく。
響香が駿の異常を察知して駆け寄ろうとするが、彼女もすぐにその場に倒れる。
見れば明日香や智恵美、佳代までもがその場に倒れていた。

「な、何ッ?身体から・・・力が抜け・・・?」
「ぬ、ぬかった!この金色の粉、何か妙な効果があったな!?」
しかし気づいたところですでに遅い。
金色の粉をたっぷり吸い込んだ5人は、やがて無言となり1人、また1人と意識を失っていった。
そして全員が意識を失って数分後。
数匹のコウモリをまとわりつかせた、1人の少女が姿を現す。
彼女は5人が意識を失っていることを確認していたが、駿のところでその歩みがピタリと止まる。

「オト・・・ジャ・・・」

少女は何事か口にすると、駿だけを抱えてどこかへ消えた。
5人を気絶させた金色の粉浴びても平然としたままで。

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