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屍美女の大群
官能リレー小説 - ファンタジー系

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屍美女の大群 287


涙とよだれに鼻水と、見るに耐えない顔をしたマリナが許しを請うように首を横に振り続ける。
もうしない。死にたいだなんてもう言わないから。
だから。だから許して。
マリナはそう訴えているようだった。
それを見た駿は、マリナに1本のクモの糸をたらす。

「・・・なら約束してください。もう死ぬなんて言わないと。
 死んだ人たちの分までしっかり生きると!」

それは地獄に差し込んだ一筋の光明。
だがそこまでの道のりはあまりに険しかった。
なぜなら今のマリナはイカされすぎて、ろれつの回っていない状態だ。
そんな彼女が言葉を出すなんて、あまりに厳しいことだった。

「や、やぐそぐっ!やぐぞおぉぉッ!?」

案の定、約束の言葉を言おうとした途中で絶頂。
最初からやり直しとなる。

「どうしたんです、マリナさんっ!?
 ちゃんと言わないと終わりになりませんよっ!?」
「あ、あ・・・あばあぁぁッ!!」

攻め続ける駿のあまりに冷たい言葉。
だが今のマリナには、それしかすがるものがない。
そして。彼女は振り絞るようにその言葉を叫び出した。

「〜〜〜ッ!や、やぐそぐっ!約束じまずうっ!
 マリナっ、もうじにだいだなんて言びまぜんッ!
 死んだびどだぢのぶんまれっ!じゃんどっ!
 生きてみぜまずぅああぁぁッ!?」

言い切ったと同時に、全てを押し流す快楽にマリナの意識は飲まれ。
マリナはようやく快楽地獄から解放されたのであった。
もう彼女が死にたいということはないだろう。
死ぬよりも恐ろしい体験を心と身体に刻み付けたのだから。

――――

カチャ・・・ッ。

精根尽き果て、深い眠りについたマリナの身体を清め、駿は彼女の部屋を後にした。
そして。少し離れたところで突然ピタリと歩みを止めた。

「・・・みんな!そこにいるんでしょ?出てきたら?」

その言葉に駿の背後の物陰に隠れていた、いくつもの影がビクリと反応した。
そこから飛び出してきたのは。

「キューンっ!」
「わわっ!?」
「あ、こらっ!?てめえ、人の言葉も話せないくせに何、抜け駆けを・・・っ!?」
「駿ちゃ〜んっ。マリナさんだけずる〜いっ!
 ママにもマリナさんと同じこと、して〜!」

狐娘たち動物娘ズと神薙家の面々、そして人間の留美・・・。
要するに佳代以外の全員だった。
どうやらマリナの心のケアを、ドア越しにうかがっていたらしい。
あまりに予想通りだったことに、駿はただただ苦笑するしかない。
もっともそれを読まれていたとは思っていなかった面々はバツの悪いことこの上ないが。

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