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屍美女の大群
官能リレー小説 - ファンタジー系

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屍美女の大群 284

そして簡単に触れ合える距離まで近づくと、マリナは駿の頬をなでながらお願いをした。
それは生きる希望を失った生ける屍の唯一の希望。

「ねえ・・・私を殺して?
 殺してくれるなら、私のこと好きにしていいからさ」
「・・・っ!」

軽い口調でささやかれた懇願の言葉。
しかしその言葉は鉛のように重く、氷のように冷たい。
駿はマリナの心を助けることが、大変なことだとわかっていたつもりだった。
しかし全てに絶望した人間を前に、それがどれほど困難なことなのか、イヤと言うほど思い知った。
だがやらなければならない。
ここで逃げれば、彼女はきっと自らその命を絶つことだろう。
駿は覚悟を決めた。
「・・・わかりました。お望みどおり、殺してあげます」

駿はそう言うと、マリナに襲いかかり、ベッドに押し倒した。
すでに死ぬ覚悟を決めていたマリナは、何の抵抗もしない。
そこにあるのはもうすぐ楽になれるという、安堵と期待だけだ。
だが。次にやってきたのは首を絞めようとする手ではなく。
脳髄を蕩かすような、熱烈なキスであった。

「んンッ!?んッ、ン〜〜〜〜〜ッ!?」
思わぬ行動に驚いたマリナは反射的に駿を振りほどこうと暴れだす。
だが駿は離れない。
それどころか舌をねじ込み、激しくマリナを求めてきた。
あまりの熱烈さに苦しみすら感じ始めた頃。
駿はようやくマリナとのキスを終了させた。
しかし終わったのはキスだけ。
駿はマリナの上にのしかかったまま、そこから動こうとしない。
まるで読めない駿の意図に、マリナは顔を赤くして問いただした。
「どういう・・・つもり?私を・・・殺してくれるんじゃなかったの?」
「ええ。殺してあげます。でも普通には殺してあげません。
 そんなことしたら、僕のほうが危ないですから」
「あなたが・・・危ない?」
「ええ。死んで蘇った女の人は、満足するまで狂ったように男の人をほしがります。
 姉さんも、明日香も、みんなそうでした。
 だからマリナさんには、腹上死してもらいます。
 生き返ったとき、理性を忘れて襲ってこないように」

ゾクッ・・・!

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