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屍美女の大群
官能リレー小説 - ファンタジー系

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屍美女の大群 274

しかし彼氏の勇一が役に立つかとは微妙なところだ。
彼は屍美女に比べれば非力な人間に過ぎない。
下手をすれば二次遭難になってしまう危険がある。
かと言って綾子がそれを止められるかも微妙なところだ。
何しろ屍美女は泳げない。
鳥娘に運んでもらって何とか移動している状況だが、追いつけるかどうかは微妙なところだ。
もはや見守るしかないのか?いいや、そんなことはない。

ビシュルルルルッ!

「うわあッ!?」

背後から何者かに襲われ。田中が悲鳴を上げた。
そう、響香たちの仕事は他にある。
川底から上がってきた、赤い髪を触手のように伸ばした屍美女から田中を救うという仕事が。

「くっ!?気色悪いその手(?)を放しなさいっ!」

田中を助けようと、響香たちは足に絡みついた触手のような赤い髪の束を引っぺがそうと手を伸ばす。
しかし髪の毛はタコの足のように田中の足に吸い付いて離れない。
無理をすれば取れなくもないが、その時は田中の足が大変なことになってしまうだろう。

(くっ・・・!たかが髪の毛なのに、まるでタコみたいに・・・!
 ・・・ッ!そうか!コイツらの正体は・・・!)

あまりのしつこさに響香が悪態をつこうとしたその時。
彼女の頭上に天啓がひらめいた。
泳げないはずの屍美女たちの正体がわかったのだ。
襲ってきた敵は間違いなく自分たちと同じ屍美女。
ではなぜ彼女たちは泳げるのか?その理由は簡単だ。
彼女たちは蘇生するために、魚やタコのような海産物を身体に取り込んだのだ。
だから彼女たちは水中でも活動できる。
響香のその推理は大筋当たっていた。
1つ訂正するとすれば、それは襲ってきた屍美女たちも泳ぐことはできないということだ。
確かに彼女たちは水中でも活動できるが、泳ぐこと自体はできない。
1人目の魚型の屍美女は海底を蹴って、ミサイルのようにマリナをさらい。
2人目のタコ型屍美女は、タコのような髪の毛で身体を支えて立っているに過ぎないのだ。
そしてその事実が今、静那の手によって実証されようとしていた。
本体をどうにかしない限り、田中を助けられないと悟った静那が、水面から顔をのぞかせている屍美女に矢を射掛けたのだ。

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