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屍美女の大群
官能リレー小説 - ファンタジー系

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屍美女の大群 273


(あの耳・・・人間の耳じゃない。まるで魚のヒレみたいな・・・。
 あれは・・・鱗?もしかしてアイツ、ウチの獣娘たちと同じ動物を取り込んでるの?)

響香が観察する中、静那は屍美女を撃ち抜こうと弓矢を構える。
しかしパニック状態となり、暴れているマリナが邪魔で屍美女を撃ち抜けない。
智恵美の命令を受けた鳥娘も、救出しようとしているが、水と屍美女を恐れて思うように手が出せない。
このままなす術なくマリナの最後を見守るしかないのか?
そう思われたそのとき!

バッシャアン・・・!

「「「「!?」」」」

突然潜水艦の近くで大きな水音が聞こえた。
まさか、またアイツの仲間が出てきたのか!?
それは違った…
なんと、マリナの彼氏が海に飛び込んだのだ。
「バカ野郎っ!、何考えてやがるっ!!」
相方の叫びも尤もだった。
彼らの中で、生き残るには『掴まった者は見捨てる』と言うのが暗黙の了解であった。
そうしなければ、無力な彼らに生き抜く術がない…酷いとか、そんな話ではなく、そうしなければ全滅だからだ。
要はマリナを助けようとする行動は、助かる可能性を減らす行為でしかない。
それだけ厳しい状況で生き残ってきた筈である。

「ちいっ!、響香っ!!…持っていてくれっ!」
彼の無謀極まりない行動に最初に反応したのは綾子だった。
武器にしていた碇を身体に巻き付け飛び込む。
綾子の行動を察した響香が鎖を掴み、丁度綾子が水面に来るよう調整する。
彼女達も、『屍美女が水に浮かない』のは理解している。
故に綾子の位置を響香が持ち上げながら調整すると言う屍美女らしい力業を用いたのだ。
そして、彼氏が飛び込んだ事で、怪物のマリナに対する拘束が緩んだ事が幸いした。

やはり魚娘(仮)も、女より男のほうに興味があるらしい。
だが事態はそれほど好転したわけでもない。
響香は鎖を引っ張りながら鳥娘に怒鳴りつける。

「鳥女っ!そっちはいいから綾子さんを移動させるのを手伝いなさいっ!
 静那さんっ!援護はまだできないのっ!?」
「く・・・うっ、ダメですっ!
 あんなに暴れていては、あの方に矢が当たってしまいますっ!」

無念そうな静那の声。援護は期待できない。
頼みの綱は最初に飛び込んだ彼氏と、それを止めに行った綾子だけだ。

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