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屍美女の大群
官能リレー小説 - ファンタジー系

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屍美女の大群 264

「だからって、そうやって駿くんを甘やかして束縛したら、彼は自立出来ないって言ってるのよ。」
「自立せんで良い駿坊は今のままで良いのじゃ。」
佳代の態度にむっとしたマリナは佳代の駿の過保護なやり方と爛れた性関係を非難するが、佳代は今のままで十分とマリナをあしらって今のままが正しいと開き直る。

「うっう〜ん。」
二人の口論に駿が目を覚ましそうなる。
「姉さん、静かにして駿君が起きちゃうでしょ。
駿くんごめんね〜恐いお姉さんは黙らせたから大丈夫ですよ〜」
「るっ留美………」
駿が魘されてるのをみてマリナを黙らせた留美は駿を赤ん坊の様に宥めた。その顔はまるで母親や恋人の様であった。
それに対してマリナは呆然としていた。
この異変が始まってから、ずっと自分に頼りきりだった、あのかわいい妹は一体どこに行ってしまったのか。
自分の知らない間に留美は屍美女となってしまったのではないか?
それとも駿は屍美女と交わり続けたことで、女をとりこにするような麻薬物質でも身に着けたのか?
信じられない光景に、マリナはそんなことを考えずにいられなかった。
しかしそれは根も葉もない妄想・推測である。
もし留美が変わってしまったとすれば、それはこの大異変のさなかでも駿が優しく接してくれたからだろう。
いつ死んで化け物の仲間入りをするかわからないこの状況下、マリナは常に生き残る努力をしていた。
死にたくない以上、生きる努力をするのは当然のことだ。
しかしマリナは自分だけでなく、妹も守ろうとしていた。
それゆえに知らないうちに妹の意思を無視するようなところが時々出ていたのである。
しかし駿は違う。駿は屍美女も人間も平等に扱い、優しく接してくれる。
ちゃんと個人の意見を尊重するだけの余裕を持っているのだ。
いくら自分を守ってくれるとは言え、自分のことを考えてくれない姉と自分のことも考えてくれる他人。
留美が駿にほれ込んでしまうのも自然の流れであった。
もっともマリナは自分のことに手一杯で、そこまで考えが及ばなかったようだが。
マリナたちが呆然とする中、佳代は3人をここの呼んだ目的を話し出す。

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