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屍美女の大群
官能リレー小説 - ファンタジー系

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屍美女の大群 261

「そいやぁーっ!!…」
キャッチして、そのまま投げつける綾子…
獣屍美女はもがきながら放物線を描き、ドボンと海に沈む。
反対側でも同様…
落ちてくる獣屍美女を、美羽が蹴りを合わせて海に突き落としていた。

一方、サル型を迎撃した静那は、瞬く間に弓に持ち換え次の獲物を狙っていた。
目にも止まらぬ速さで斉射…
鉄弓から放たれた矢は、まるでレーザーのような速さで鳥屍美女を捉えた。
矢と言えど、常人では引けぬ弓から放たれた矢…その威力たるや大砲と変わらない。

放たれた矢は、まるで紙をエアガンで撃ち抜くように鳥屍美女の翼に穴を開けた。
サル型屍美女のときと違って、今度は誰も彼女を拾いに行こうとしない。
する必要もなかった。
太陽に向かって飛んで地面に落ちたギリシャ神話のイカロスのように、鳥屍美女は潜水艦に触れることなく海の底へと沈んでいったのだから。
むしろ響香たちの関心は上にあった。
なぜなら仲間をやられたことで興奮した敵屍美女たちが、雄叫びを上げながらこちらに向かって飛び降りてきたのだ。
島脱出を賭けた防衛戦。その第一幕が始まった瞬間であった。
静那は弓矢で次々と敵を射抜き、響香は近くにあった潜水艦の装備で屍美女を撃ち抜いていく。
残ったメンバーは撃ちもらした連中と潜水艦に打ち落とされた連中の処分である。
人がいい智恵美は敵を海に放り込むことができず、やりづらそうにしていたが、戦場では情けは禁物。
他のメンバーが彼女を叱責しながら容赦なく海へと落としていく。
しかし彼女たちは気づいていない。
本当に恐るべき敵はまだ姿さえ現していないということに。
その敵とは小屋にいた化け物連中ではない。
屍美女である彼女たちの死角にその敵は存在していた。

――――

「始まったみたいだね・・・」

運転室で操縦桿を握りながら、佳代は誰に言うでもなくつぶやいた。
座席と自分の間に駿をはさみ、背面座位の格好で貫かれながら乳をもまれるという、緊張感を殺ぐには十分すぎる格好であったが。

「や、やっぱり・・・ボクも行ったほうがいいんじゃ・・・」

甲板上から気配か気迫でも伝わってきたのか、駿は荒い呼吸をしながら佳代におそるおそる聞いてみた。
駿は人間だが、それだけに大事な家族をまた失うなんて悲劇をもう味わいたくないと思っての発言だった。

「ダメだよ!駿坊が行けばよけい事態がひどくなる!
 駿坊はここであたしと一緒にいるんだ!」

しかし駿の言葉に佳代はいつになく厳しい目を向け、きっぱりと拒絶した。
確かに戦力は少しでもほしいところだが、もし駿が甲板に出たら、飢えた屍美女たちはいっせいに彼に襲い掛かるだろう。
そのせいで響香たちがやられでもしたら、おしまいだ。
仮にやられなかったとしても、駿だけさらわれるようなことになっても、それは敗北と同じだ。
駿のためにも、この戦いに勝つためにも、駿は佳代の監視下にいたほうがいいのだ。

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