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屍美女の大群
官能リレー小説 - ファンタジー系

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屍美女の大群 245

「し、しばらく眠りについていた間に、ずいぶんぶっそうな世の中になったんですね・・・」

佳代のあっけらかんとした発言に、みなは尊敬を通り越して恐怖を感じて先頭を行くリーダーを見つめる。
もちろん、誤爆なんてしないようにこっそり整備とかしいたんだろうが、それでもあれだけの爆発を起こすほどの火薬の上で平然としていられるなんて、間違いなくどうかしてる。
戦場のすごさを知っているはずの静那でさえ、恐怖を覚えるくらいだ。
さすがは世界大戦を生き抜いた女傑ということか。
みなが怯えの声を上げる中、佳代はそれすら賞賛と受け取りながら、声を張り上げる。
ついにゴールが見えてきたのだ。

「そらっ、おまえたち!もうすぐゴールに到着だよっ!?
 この島とお別れする心の準備をしておきなっ!」

そして長い通路を抜けた先にあったものは。
広い空間とそこを薄暗く照らしつける電気の光。
そして駿たちを新天地へと導く潜水艦の姿であった。
初めて見る実物の潜水艦に、駿たちはその迫力に驚きを隠せない。
年代物ながら・・・否、年代物だからこそ持ち得るその存在感。たたずまい。
クラシックカーやアンティークにハマるコレクターもこのあふれ出る空気のとりことなっていたのだろうか。
潜水艦に見入る駿たちに佳代は満足そうにうなずくと、みんなに待ちに待った脱出開始を伝える。

「ほら、いつまでボーッとしてるんだいっ!?
 さっさと船に乗り込みなっ!ここから脱出するよっ!?」

佳代の呼びかけに正気に返った面々は、あわてて潜水艦に乗り込む。
と言っても出入り口らしいハッチを開けて、中に入っただけなのだが。
最後に潜水艦に乗り込んだ佳代は、狭い潜水艦の中、家族やら獣娘たちやらを押しのけながら、これからこのことを説明する。

「痛っ!?いた、いたたたっ!?」
「いいかい、おまえたち!これからこの船で島から脱出するけど、見てのとおり、年代物のオンボロだ!
 潜水なんて危なくてできやしない!
 おまえたちは敵が船に取り付かないように見張ってな!」
「ええっ!?じゃ、じゃあ取り付かれたらどーすんのっ!?」
「そんなん、実力行使に決まっとるじゃろーがっ!
 ほれ、もう外に出るんじゃから、さっさと動きなっ!?」

じゃあなんで自分たちを先に入れたんだ。
響香たちはそう愚痴りたいのを我慢しながら、島脱出を開始するのであった。
悲しいまでの上下関係である。

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