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屍美女の大群
官能リレー小説 - ファンタジー系

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屍美女の大群 240


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駿たちが補給のHし始めてから10分後。
矢筒に伸ばした静那の手がむなしく空を切った。
ついに矢の在庫が尽きたのだ。
さすがの静那も、この状況下で矢が使えなくなることに舌打ちを禁じえなかった。

「くっ・・・!」

だが今は悔いている時間も惜しい。
思考を切り替えて腰から刀を抜き放つと、士気を鼓舞する雄叫びを上げながら敵の群れに突っ込んでいった。
脱出までの時間を稼ぐ防衛線は、地獄のような消耗戦と化していた。
敵は倒しても倒しても次の相手が現れ、響香たちに襲いかかってくる。
幸い、飢えて狂っているような連中なのでチームワークはないし、味方同士の共食いやレズ行為、自慰など好き勝手にしている者もいる。
しかしそれでも響香たちは前線を少しずつ、小屋のほうへと後退させつつあった。

「だあぁらっしゃあぁッ!?」

綾子の渾身のラリアットが敵の首を捕らえ、その背後にいる屍美女の群れまで吹っ飛ばした。
降って湧いた獲物の来訪に、狂った屍美女たちは飛んできた仲間に襲いかかり、共食いとレズ行為を同時に開始する。

「だーもう、どいつもこいつも気色悪いマネしやがってぇッ!?」

あまりの気色悪さに綾子が思わず毒づいた瞬間。
綾子の右足が何かにつかまれ、鋭い何かで真っ二つに切り裂かれた。

「・・・ッ、ぎゃああぁぁぁッ!?」
「綾子ッ!?」
「お、お母さんッ!?」

仲間の悲鳴に、美羽たちは一瞬戦いの最中であることも忘れて足首から血を吹き出させる綾子を見る。
その足元にいるのは・・・。

「・・・?・・・?」

地面から上半身だけを出した屍美女。
しかしその手は美しい外見とは正反対の、無骨で鋭い5本の巨大な爪が生えている。
地面から出ていること、そしてあの爪からしておそらくモグラ型の屍美女らしい。
彼女は千切れた足ともがく綾子を交互に見ながら、しきりに首をひねっている。
どうやら足をつかむだけのつもりが、引きちぎってしまったことに驚いているようだ。

「こ、こンの・・・腐れ動物がっ・・・!」

涙と血で顔をぬらしながら毒づく綾子。
いくら不死身の屍美女とは言え、痛みがないわけではないのだ。
モグラはしばし千切れた足と綾子を交互に見ていたが。
やがて獲物がまだ元気であるとわかると、もぎった足を捨て、めくるめく官能の世界へ旅立とうとした。

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