屍美女の大群 234
「悪、あがき・・・」
「そうさ。駿坊の場合は智恵美たちが拾ってきたそのコたちを飼いならし、自分の力とした。
自分たち人間をヤリ殺す危険な連中とわかっていながら、生きるために駿坊は手をつけたんだ。
だから、駿坊も静那さんも、みんな生き延びた」
「で、でもボクそんなつもりじゃ・・・」
「きっかけは偶然だったにしろ、駿はコイツらが自分を食う存在とわかって手をつけたんだろ?
だったら同じことさ」
そこまで言って、佳代はにっこりと微笑んだ。
「ここを脱出したら、みんなにもまわりのコたちにもご褒美をあげないといけないね。
本土に戻るまで、あたしがたっぷりかわいがってあげるから覚悟しときなよ?」
「う、うんっ・・・!!」
佳代の笑顔を見て、駿は不思議と安心感が広がっていくのを感じた。
大丈夫。この人ならやってくれる。そんな確信めいたものが彼女にはあった。
事実、太陽電池のついている屋根は少々壊れてしまったものの、もうすぐ日没。
潜水艦を動かすための電気も十分にたまっているはずだ。
佳代はさっそくそちらを調べ、響香たちを助けに行く・・・と、思いきや。
キュルルルル・・・×10
「う」×4
「うぅ〜・・・」
「きゅ〜ん・・・」×5
佳代の・・・いやその場にいた全員のおなかから、盛大な音が鳴った。
そう言えば戦いが始まってから、いろいろあって人間である駿たちも屍美女である佳代たちも、何1つ食べていない。
佳代たちでさえこれなのだから、特に最前線で戦っている響香たちの消耗はかなりのものだろう。
獣娘たちはあまりの空腹に駿に『ごはんをちょうだい?』と目で訴え。
捕縛された鳥娘は元気なくぐったりとしていた。
佳代は少々顔を赤くしつつも、とんでもないことを口にした。
「・・・ふむ。駿。留美さん。マリナさん。
すまないが、あたしとそこの6人とHしてくれないかい?」
「「え、ええっ!?でも今そんな場合じゃ・・・っ!?」」
「じょ、冗談じゃないわよっ!?誰が化け物のエサになんか・・・っ!」
この非常時にHしてくれだなんて言われるとは思ってなかった面々は、たまらず反論する。
特に再び目を覚ましたマリナはまだ仲間を殺されたときのショックが抜けきっていないのか、悪意に満ち満ちた言いようだ。
しかし佳代はそんな悪意など意に介さずに話を続ける。