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屍美女の大群
官能リレー小説 - ファンタジー系

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屍美女の大群 24

佳代の言葉にみんな重大な事に気付く。
叔母の根岸綾子も佳代や智恵美と共に葬られた筈だったのだ。

…綾子は智恵美の妹で、姉と正反対の豪快な女性だった。
勝ち気で気っ風が良く喧嘩っ早い…体格も大きく、プロレスラーになり『ダイナマイト綾』のリングネームで大活躍したらしい。
その綾子が漁師である叔父と大恋愛して結婚し、すぐに娘…つまり従姉妹であり幼なじみである美羽を身籠ったのだが、難産で美羽は産めたものの、綾子は帰らぬ人となった。

享年38歳…高齢出産だったのと、大酒飲みだったのが要因の一つだったらしい…
駿も明日香も会った事は無いが、幼なじみの美羽の男勝りと言うか、男そのものの性格が母譲りと聞かされていたから、なんとなく叔母像はイメージしていた。
しかし、叔母が復活している可能性があるなら、探す目標が増えた事になる…
二人一緒に居てくれたらいいのだが…叔母は何と言っても屈強のプロレスラーなのだ。
美羽の喧嘩の強さも知っている駿としては、響香達を見ていると不安に思えてくる。

「駿坊や、心配しなくてもよいぞ…神薙の女は意外と武闘派での、智恵美は薙刀の名手じゃし、響ちゃんはずっと剣道をやって、いい所までいってたしの…」
神薙家では、女の子は武道をやるのが習わしらしく、智恵美や響香だけでなく、美羽はテコンドー、明日香もフェンシングなんかやっていた。
駿は運動そのものが好きでは無いし、求められなかったからやらず、むしろピアノやお料理など女の子的な事をしていた覚えがある。

「もう御祖母様ったら、それは昔の話ですわよ。」
昔の話を出されて照れる響香。
「まあまあ良いではないか、綾子は後で探すとして駿坊やお祖母ちゃんの所へ来るんじゃよ。」

祖母に呼ばれ、駿は佳代の元に行こうとするが・・・。
そこに母智恵美が引きとめ、妨害する。
それは妨害と言うより訴え・懇願だったのかもしれない。
何しろ小刻みに震え、両目に涙をためながら『行かないで』とばかりに首を横に振っているのだから。
駿は大丈夫だよ、と言い聞かせようとしたとき。
背後から逆らいがたい、底知れぬオーラを感じて駿は振り返った。
そこには相変わらず笑みを浮かべたままの佳代。
しかしその笑顔は、先ほどの笑みとは迫力が違う。
それはまるで獲物を見つけた肉食獣を思わせるような笑顔であった。

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