屍美女の大群 228
ドッ・・・ゴォン!
吹っ飛び、壁にたたきつけられる鳥娘。
そこにすかさず追撃を加えたのは狐娘。彼女は3人の獣娘の壁を飛び越えると、そのままの勢いで右手を鳥娘に振り下ろした!
「・・・ッ!?」
バゴォアッ!
その衝撃で壁は崩壊し、再び瓦礫に埋もれる鳥娘。
屋根から入ってきたときとは違い、今度はしばらく起き上がっては来れないだろう。
「静那さんっ!?」
「姉様っ!みんなっ!?大丈夫っ!?」
鳥娘がKOされたのを確認してから、駿と留美は仲間たちの介抱に向かった。
派手に暴れてたせいで、全身ほこりだらけの血まみれだ。
しかし腐っても不死身の屍美女。
身体の汚れこそ取れないが、傷のほうはすでに再生が行われていた。
「大丈夫、です。これくらい、少し休めばすぐに治ります」
「で、でも・・・うわぁッ!?」
「きゅうん、きゅうんっ!」
「はっはっはっ・・・!」
「ぶちゅっ!くちゅ、ちゅ・・・ぱっ!」
駿に亡き弟の影を重ねている静那は、聖母のような優しい微笑みで答える。
獣娘たちも自分の傷より駿のほうが気になるようで、まるで帰ってきた飼い主に群がるペットのように駿にじゃれつき、熱烈な抱擁やキスをしてきた。
その姿は、とても先ほどまですさまじい戦いを繰り広げてきた人物だとは思えない。
獣娘たちがじゃれつく中、静那はまだダメージの残る体に鞭打ち、ゆっくりと立ち上がる。
それを見た留美はあわてて彼女を制した。
「だ、ダメです静那さんっ!?もうしばらくおとなしくしててくださいっ!
まだ身体の傷は治っていないんですよっ!?」「大丈夫です。今はわらわの身体のことより、あの鳥女の始末をつけなくてはなりません。
放っておけばいつまた蘇るか・・・っ」
静那は留美の制止を振り切り、瓦礫に埋もれた鳥娘の下へと歩いていった。
しかし相手は不死身の屍美女。始末するにしても、いったいどうするつもりなのだろうか?
静那はどこから出したのか、ロープとハンカチくらいの大きさの何かを取り出した。
そして気絶した鳥娘を瓦礫の中から引っ張り出すと、慣れた手つきで瞬く間に彼女の手足を縛ってしまった。
手足を縛ると、今度はハンカチのようなものを広げだす。
広げられたそれは麻袋。そして鳥娘をその中に放り込むと、逃げられないように口をキツく閉じてしまった。
「・・・よし。これだけやればもう大丈夫でしょう」
(あ、そうか・・・)
「え?え?静那さん、いったい何をやってるんですか?
あんなことしたって、脱出されるんじゃあ・・・」