PiPi's World 投稿小説

屍美女の大群
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 224
 226
の最後へ

屍美女の大群 226


「駿兄ぃッ!?静那ちゃんッ!?」

みんなを代表して美羽が悲鳴を上げる。
だが助けに行くことはできない。彼女たちが持ち場を離れれば、チャンスとばかりに敵が襲ってくるのは目に見えているからだ。
美羽たちは駿と静那の無事を祈りつつ、目の前の敵を倒すしかできることはなかった。

――――

一方。崩れ落ちた屋根の下は大変なことになっていた。
大穴の開いた屋根の下には瓦礫の山ができ。
部屋の隅っこでは駿・マリナ・留美と5人の獣娘を守るように陣取っていた。
本人たちは真堂姉妹など守る気はなかったのだが。
駿が我が身も省みず運び出そうとしていたので、やむなく運び出したのだ。
駿とうなる獣娘たちが見守る中、瓦礫の山がモコリと動く。
そして次の瞬間、瓦礫の山は風船のように膨れ上がって爆発した。

「・・・!」

羊娘とヤギ娘が身体を張って飛び散る瓦礫から駿を守る。
そして瓦礫の山から出てきたのは・・・。

「ふぅああぁッ!!」

背中から1対の翼を広げた鳥娘だ。
天使のような外見とは裏腹に、獣のような雄叫びを上げるその姿は天使どころか悪魔の降臨を連想させた。
そしてその足元では。

「う、くぅッ・・・!?」
「姉様ッ!?」

傷口から血を流し、激痛に悶える静那の姿。
家族の痛ましい姿に駿は思わず助けに駆け出しそうになる。
獣娘たちがいなければ、間違いなく助けに行って鳥娘の餌食になっていただろう。

「ふうぅ・・・ッ!ふああぁ・・・ッ!」
「ぐるるる・・・」
「ううぅ〜〜〜・・・ッ」

駿を渡せとばかりに威嚇する鳥娘。
それに対し、おまえらに駿は渡さないとばかりにうなる獣娘×5。
この辺のやり取りは、言葉を話せない獣娘たちでなければわからない彼女たちならではのものだろう。
獣娘たちはしばらくお互いに主張するように吠えあっていたが。
やがて話し合い(?)では埒が明かないと悟ったのか、
獣娘たちは誰からともなく、戦闘態勢を取り始めた。
最初に仕掛けたのは鳥娘。
数で劣る彼女は、先手必勝とばかりに背中の翼を広げてはためかせる。
この狭い部屋を利用して、また空からの奇襲をかけるつもりなのだろうか?
はためく翼はどんどんそのスピードを上げていく。その時。

タ、カンッ!

『!?』

彼女の翼から何かが牛娘の頬をかすめ、壁に当たった。
驚いた獣娘×5と駿が振り向くと。そこには鳥のものにしては大きすぎる羽根が1本、突き刺さっていた。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す