屍美女の大群 184
再び始まる食事しながらの性の饗宴。
屍美女は喜び、留美は見入ってしまう中、1人いろいろなものを溜め込んでいた人物が我慢の限界を迎えつつあった。
ぶちっ!
「あなたたち、いいかげんにしてくださいっ!!さっきから発情期を迎えた動物みたいに・・・!
ここは変態の集まりですかっ!?」
堪忍袋の緒が切れたマリナが茶碗と箸をちゃぶ台にたたきつけながらそう怒鳴り散らした。
あまりの激昂に、駿たちは思わず動きを止めてマリナを見るが、人間の発言に綾子は不満もあらわにマリナに詰め寄った。
「・・・おいおい、居候の分際で何ふざけたこと言ってんだ?
これはアタイらにとっちゃ立派な食事なんだよ。
それとも何かい?人間様にはアタイの食事がお気に召さないって言うのかい?」
「そうですっ!あなたも今でこそ化け物でも、昔は人間だったのでしょう!?
少しはつつしみというものを覚えてくださいっ!」
迫力満点の綾子の脅迫も何のその。マリナは負けじと言い返した。
確かにマリナの言うとおり、つつしみを持つべきなのかもしれないが、それはあくまで人間側の都合だ。
元は人間とは言え、屍美女となった綾子たちには綾子たちのルールがある。
それを土足で立ち入られた綾子は怒りもあらわに1発ひっぱたいてやろうと右手を振り上げた!
「やりたいのならやりなさいよ!
だけど私はあなたたちのペットになった覚えもないわ!
それにここで私を怒らせて私が潜水艦の修理から手を引いたら、あなたたちも危ないんじゃないの!?」
「・・・ッ!このっ、クソアマ・・・ッ!」
生意気な口の利き方に、綾子はその手を振り下ろそうとしたそのときだ。
「やめんか、綾子ッ!」
突然佳代が割り込み、綾子の動きを止めた。
恐怖の象徴であり、群れのリーダーである佳代の命令に、綾子はなぜ止めると言わんばかりに佳代を見つめた。
しかし佳代はそんな綾子の無言の訴えを無視してマリナに歩み寄った。
「正論じゃが、我らを脅すとはずいぶんと啖呵を切ったものじゃなぁ。
殺されたり、襲われたりするとは考えなかったのかい?」
「はっ、やれるもんならやってみなさいよ。
アンタたちの仲間になったら、私がアンタたちのリーダーになって黙らせてやるわ・・・!」
佳代に脅されてもマリナは引かない。
自分たちを助け、仲間探しまでしてくれることには感謝しても、こんな化け物たちの奴隷になった覚えはないのだから。